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MUNI CARPETS

news letter vol.66: 真に美なるものは、時空を超えて常に新しい

2025年6月1日

MUNIでは、月に1度メールマガジンをお届けしています。
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 明治から昭和にかけて活躍した日本の芸術家で、書・篆刻・陶芸・料理・絵画に至るまで多岐にわたって才能を発揮した北大路 魯山人。
『魯山人陶説』という書籍のなかに、

“真に美なるものは、必ず新しい要素を多分に有するのである。
・・真に美なるものは、時空を超えて常に新しいのである。”

ということばがあります。
このことばを引用しつつ、1998年にMUNIオーナーの楠戸が『染織α』という月刊誌に寄稿をしました。
いまから27年も前になりますが、いま読み返してみても新鮮で、皆さまにご紹介したい箇所が多くありました。
少し長いながら・・・ご紹介させてください。


『月刊 染織α』甘肅氈 ~中国の西域に甦らせた草木染め緞通~
から一部抜粋 

※現在は、甘肅氈ではなく、MUNI CARPETSという商標となっておりますが、文中では当時の表記をそのまま掲載しています。

海の底のような藍染緞通

 今から十数年前訪れた香港の地で、ふと立ち寄ったギャラリーの壁面にディスプレイされた鮮やかな藍色のカーペットが私の目に飛び込んできた。 
ギャラリーの主人の説明では、これは中国の清朝時代に甘肅省(かんしゅくしょう)で織られた緞通であると言う。 

 それまで私は中国緞通というと天津緞通に代表されるピンクやグリーンの写実的な花文様が浮き彫りになった分厚い敷物というイメージが強く、私の個人的な好みではなかった。
この藍色の緞通は百年以上も使い込まれ、藍の色は成熟し、まるで海の底の様な深い色に変化し、またその表面は、羊毛でありながら、シルクより艶やかでやわらかく、まるで上質のビロードの様だった。 そして文様は梅文様や宝結び文等の吉祥文がバランス良く配置され、日本人の私にとって何か懐かしさすら感じられた。私はこの時、中国緞通というものを初めて知った気がした。
  それは、あの北大路魯山人が言った「真に美なるもの必ず新しい要素を多分に有す。真に美なるもの時空を越えて新しい」という言葉通りに、私にはとても新鮮でモダンに感じられた。明時代の器や錦にも通じる美しさをもつこの緞通は、やはり現代の見せかけのものではなく、民族の心のこもった、祖先から受け継いできた技があってこそ生まれてくるものだとつくづく感心した。

香港で運命的な出会いをしたアンティークカーペット

 その後私はその藍色の緞通を手元に置き、毎日の様に眺め、その感触を確かめているうちに、いつのまにか、その緞通の織られた産地のこと、歴史や背景に私なりに思いを巡らせていた。 
 中国緞通に関する記録や資料は実際とても少なく、イランやトルコのカーペットに比べ研究者も非常に少ない。また、欧米の有名な美術館や博物館のコレクションでさえも、年代や産地等が未だはっきり分かっていない点もある。
 現存する古い中国緞通は、ドイツ・フランクフルト手工芸博物館所蔵の明末期(17世紀)に織られた蓮花文の緞通、ニューヨーク・メトロポリタン美術館所蔵の有名な如意文を織り込んだ明末期・清初期の品がある。 また日本ではあまり知られていないが、京都・祇園祭の山鉾に飾られていた16世紀の作品といわれている玉取獅子の文様の緞通等が挙げられる。 
 それらの時代の品々には、かつて中国からはるばる海を越え渡って来た名物裂等と同様に特に気品と洗練された美しさがある。 
 それ以後の緞通は、時代や産地によって、様式は変化してゆき、清朝末期になるとその気品ある美しさのバランスは消え、20世紀に入り、多くの欧米人が中国で輸出用の緞通の生産を始めると、フランスのオービュッソンタピスリー柄へと変化し、天津緞通のスタイルが出来上がる。そしてそのスタイルが中国全土に広がり、商業主義のコンテンポラリデザイン、紡績機の導入、輸入羊毛や化学染料の使用による大量生産によって、本来の美しさを受け継ぐ品とは異なるものとして世界中に広まっていった。 

 私は色々と中国緞通について調べていくうちに、中国緞通の一ファンとして美しい緞通が失われてゆくことがいたたまれず、またどうしてもこの目で産地を見て確かめたいという気持が募り、私がとても感銘を受けた中国緞通の本の著者、賈冠顔氏に手紙を書き、中国の最も古い緞通の産地・甘肅省の緞通関連の会社を紹介してもらった。

(中略)

甘肅氈は次代に残す世界の宝

 そんないきさつで、私がやらずして誰がやる。自分の大好きな納得の行く緞通を作ろう。世界には本物の中国緞通を待っているカーペットフリークが必ずいるはずだ、私以外に。今まで何世紀も続いて来た文化をこのたった百年で消滅させてしまうのはあまりに大きなものを失ってしまうことになる。淘汰されるものも必ずあるが、イランやトルコのカーペットと同様に世界の宝として後世へ残さねば。そんな想いで私はついに十年前に甘肅省のある工房と協同生産を始めた。

メトロポリタン美術館での楠戸

 全てのプロセスを原点に学ぶという主旨から私が最も敬意を払う明代から清代初期のアンティークカーペットを蒐集し、またメトロポリタン美術館や、ワシントンDCのテキスタイル美術館などから資料を提供してもらいながら、その文様・色・織等を研究し、当時の品の再現からスタートした。 
 糸を手で紡ぐ。すでに紡績糸に代って久しい地でもう一度手で糸を紡ぐという事は最初中国の人々にはなかなか理解してもらえなかった。彼らには、手で紡いだ糸は不均等で美しくなく織り上がった緞通が歪んでしまうが、機械で紡いだ糸は均等で美しいという意識があったからだ。 
 この様に、デザイン・染色・織り・仕上げ、一つ一つのプロセスに大きな意識の違いが生じる。また幾度となく彼らに騙されもし、金銭的なトラブルも生じた。中国人と日本人、政治や文化の違う人間が同じ仕事をする事の難しさを痛感した。何度もやめようと思った。あまりのストレスに病気になった事もあった。
 しかし途中で挫けそうになった時、ニューヨーク・メトロポリタン美術館の故ジーン・マイリー女史(オリエンタルカーペット中国緞通部門の学芸主幹)の、「私達の資料をあなたの重要な中国伝統緞通の再生プロジェクトに役立てて下さい」という私への言葉がずっと心の支えとなった。

ジーン・マイリー女史からの手紙

 数年後、私は互いに最も理解できる友、張力新氏と独立するプライベートな工房を設けた。湯希葦氏という寧夏出身の緞通作り60年というベテランを我が工房に迎え、若手の指導に当ってもらった。工人たった50名からの再スタートである。当然スタート当時には数多くの問題はあった。しかし今回は湯希葦氏を筆頭に全ての工人達が自分の仕事に誇りを持ち自分達の祖先の作った緞通に敬意を払っている。この事が全ての問題を一つ一つクリアしてゆく重要なポイントだった。 

パートナー張力新氏と立ち上げた工房「漢氈居」
工房に掲げられた、職人たちの心得

伝統の手法で創る現代の織物

 真に優れたデザインは、何百年たっても美しい。私は、最も気品に満ち、洗練された緞通の織られた時代、明末期から清初期の作品に、とても魅力を感じる。したがって、これらの時代の緞通から、過去のものとしてではなく、現代のものとして再生するために、現代の感性でデザインしている。

  素材となる羊毛の質は、織り上がった緞通の色、輝き、使い心地を左右する最も重要な要素である。 羊毛の中でも最高品質の、寧夏で飼育される中国の固有種である灘羊(タンヤン)の生後約三ヶ月の仔羊のバージンウールを使用している。この羊毛は、成長した羊の毛よりも、染め上がった糸に透明感があり、永年の使用に耐えることが出来る。 
 パイル糸は、手紡ぎ糸を用いる。手紡ぎの糸は、紡績糸よりも繊維どうしが互いにしっかり絡みつき堅牢な糸が出来る。手紡ぎ糸で織り上げた鍛通は、摩擦に強く、弾力性に富み、また手紡ぎ糸のもつ自然の太細が独特の趣を与える。 

 中国緞通の命の色は藍色である。この色を簡単な合成藍を使ってしまえば、当然真の中国緞通を再生したことにはならない。この事は全ての工人達が認識している。 
 琉球藍と同種で今や中国では漢方薬としてしかあまり使われる事のない馬藍(きつねのまご科)を貴州省で栽培し、沈殿藍を作り甘肅省まで運び、それを化学薬品を使わず、ア ルカリ度を増す為に蓬灰(麺を打つ時に使用 する天然水を作る材料)を用い、酒、麩を加え自然発酵させ藍を建てる。この藍を使ってこそ、かつてミッドナイトブルー・サファイアブルー・ムーンライトブルーのスリーブルーカーペットと評された美しい藍の中国緞通が出来上がる。 
 その他の色は、紅花・蘇芳(すおう)・大黄(だいおう)・槐(えんじゅ)・橡(つるばみ) 等、全て当時使われていたものと同じ天然の染料を使う。この場合も媒染剤にはいっさいケミカルな物質を使用せず自然に帰ることのできるもののみを使う。そうする事により互いが互いの色をひき立て合い融合する。 

 緞通のノットの結び方は、中国で古来用いられている左右非対称結びが用いられている。 緯糸は二本通しで、ノットは1フィート平方に約8,100ノット。日本では、結びが細かく多いほど良いカーペットであると見なしがちだが、明清のカーペットは1フィート平方に3,600から4,900ノットで、より自然な織り上がりで味わいがある。 必ずしもノットが多いほど良いカーペットというのは当てはまらないし、むしろデザインに合ったノットの数があると考えている。

  私達の仕事は、明時代の緞通の再現からスタートしたが、それはノスタルジーからではなく、それを新しい物として再生する。つまり古来のすばらしい伝統を基礎に現代人の為に再びその技を生かし正しい中国緞通を作ることがコンセプトである。伝統の技は現代生活の中でごく自然に使われてこそ意味があり、結果としてその染織文化が後世へ伝わってゆく。 90年代のクラシック音楽やスタンダードジャズがそうである様に基礎を踏まえた上で変化しつつ存続して行く、そんなトラディショナルで、モダンな緞通を彼らと共にずっと作ってゆきたいと願っている。  

MUNI代表 楠戸 謙二


【参考文献】

  『染織α No.210 1998年9月号』 染織と生活社
『魯山人陶説』北大路魯山人 平野 雅章編

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news letter vol.65: MUNIのチェアラグ、限定数での復活

2025年5月5日

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 MUNIがカーペットづくりを始めた36年前のこと。
まだ何のノウハウも無く手探りの中、最初の一歩として、既存の中国国営工房に一番最初にオーダーしたのは、60×60cmの「お座布団サイズ」でした。
その後、その他のサイズ展開をする中で、MUNIのカーペットの使い心地をより多くの方に知っていただきたいと、椅子用のサイズ35 x35cmの「椅子敷き」の制作を始めました。

「チェアラグ」というネーミング

 欧米では、小さなサイズのカーペットは「マット」と呼ばれますので、椅子敷きのサイズならば「チェアマット」とするべきでしたが、日本では「マット」という呼称は、バスマット、玄関マットなど軽い印象があり、思い入れある作品の名前としては違和感がありました。 

そこで、本来の呼称ではないものの、「チェア」+ 手織りの一般的なサイズの絨毯の呼称である「ラグ」=「チェアラグ」という造語を思いつき、命名したのでした。
現在でこそ、様々なメーカーがチェアラグという名前で椅子敷きを制作なさっていますが、MUNIが名付け親なのですよ~。

限定数での復活

 かくして生まれたMUNIの「チェアラグ」は、皆さまにMUNIを知って頂く入口として人気を博し、30年以上にわたり多くのお客様にご愛用頂きましたが、なにぶんサイズが小さいため、工房での織り作業はもとより、洗いなど仕上げの作業が、二人でできるところが三人の職人の手がかかるなど、手間がかかりすぎてしまうことや、コストなど様々な制作事情から、5年前に販売を終了させて頂きました。

 しかしながら販売終了後、多くのお客様から熱いお声を頂き、何とか再開できないものかと思案しておりました。そしてこの度、中国の工房に無理を言って、無地のみ/限定色のみの数量限定での販売をし、お陰様で、大変好評を頂きました。
今後も限定的ですが入荷次第ホームページ、インスタグラムでご案内させていただきます。

天然染料が生み出す色彩の美しさと、プレミアムウールの手触り、コンパクトながらMUNIの魅力を十分に感じて頂けるチェアラグを存分にお愉しみいただけましたら嬉しく存じます。

※ 在庫はご来店前に必ずご確認ください。

3人がかりでの洗い作業の様子
染料の蘇芳(すおう)を砕く、染め職人

染料の梔子(くちなし)を薬研ですりつぶす染め職人
染料の梔子(くちなし)を薬研ですりつぶす染め職人

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news letter vol.64 :【MUNI CARPETSは思い出のツール】

2025年4月3日

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~お客様エピソードご紹介~


 昨年9月末、お引越し予定のご新居お玄関へMUNIを、とS様ご家族が来店されました。
来店されるなり「72番を」とカーペットのデザインナンバーをピンポイントで仰り、スタッフが驚いたところ、ご主人様が3年前にMUNIを知って以来ずっと構想を温めてくださっていたのだということでした。
ありがたいことにMUNIのホームページを隅から隅まで読み込んでくださっており、創業年まで暗記されていました!そして「ふたりともMUNIと一歳違いなんです」と。
初めてお目にかかったにも関わらず、すでにご家族の一員のように仰ってくださったのが嬉しかったのを覚えています。

 ご来店の翌月がご夫妻のご結婚10周年であり、奥様はジュエリーには興味ないので実質的なカーペットが良い!という流れになったのだとお話しくださいました。
ジュエリーブランドのCMで “Sweet 10 Diamond”というフレーズがありましたが、S様にとっては ” Sweet 10 Carpet “ですね♪

 お引越しが無事済まれた頃かな、と思っておりましたら、新年早々にご丁寧なお便りをくださいました。

 大変だけれど愉しい、愉しいけれど大変な数か月間のご新居探しの最後の仕上げに”MUNI CARPETSの儀式”がおありだったと知り、スタッフ冥利に尽きました。
吉祥文尽くしの「72番」のカーペットが、S様ご家族のこれから過ごされる時間・増えていく思い出の数々を包み込んでいくこと、間違いありません。

S様から届いたご新居のお写真

~MUNI CARPETSは思い出のツール~

 本日ご紹介したS様のエピソードのように、人生の節目となる記念の品としてMUNI CARPETSをお選びくださるお客様は少なくありません。
普段は特別に意識することがなくても、MUNI CARPETS はお客様の日常にそっと寄り添い、常に身体に触れながら存在しています。
永くお使いいただくからこそ、ふとした瞬間にその記憶がよみがえり、MUNI のカーペットを目にすると、懐かしいワンシーンが鮮やかに蘇る — そんな不思議な力を持っています。

MUNI CARPETS は、ご家族を見守りながらともに時を重ね、思い出の一部として、世代を超えて愛され続けています。

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news letter vol.63 :【企画展のご案内】中国アンティーク家具を楽しむ ~時代を超えて受け継がれるシンプルデザイン~

2025年3月1日




 昨年、中国アンティーク家具を専門に扱うお店『on the shore』谷氏とのご縁があり、MUNIオーナー楠戸も、on the shore谷氏も、お互い、欧米のインテリア誌の中に見られる中国家具やその使い方に深く魅了されていたという共通点がありました。
欧米のインテリアデコレーター達は、モダンな空間に中国アンティークをさらりと取り入れるのが実に上手く、唸らせられます。

この度、そんな素敵な空間を、MUNI南青山本店の空間で再現したいと思います。
MUNIセレクションによる、コーナーを飾るチェスト、明様式の曲線の美しい楡で出来たアームチェア、アール・デコ時代のサイドテーブルなどと、カーペットをタペストリーにして組み合わせたり、足元に大胆に敷き込んでセットしたり、組み合わせを是非ともお楽しみ下さい。

本イベントでは、谷氏のご協力をいただき、期間限定で家具を展示販売いたします。

California Interiors –TASCHEN
Michael S Smith: Houses –RIZZOLI
Houses| Atelier AM –RIZZOLI

イベント出展アイテムから一部ご紹介

  on the shore谷氏の家具コレクションの中から、企画展にあたりMUNIが厳選したのは、シンプルながらも一点取り入れるだけで空間にインパクトを与える、一点もののアンティーク家具たち。

今回、企画展でご紹介するのは、
▪️ Ming (明) スタイル
▪️ 上海アール・デコ/老上海スタイル
の家具です。

【Ming (明) スタイル】
 中国最後の王朝・清朝は、精巧な彫刻などに代表される華美な文化ですが、初期においては、“簡素美”を旨とした前王朝である明朝の影響が色濃く残っていました。

そして、MUNI CARPETSのルーツである明末清初は、日本の美術工芸にも深く影響を与えた時代。
Ming (明) スタイルと名付けたのは、そんな清朝初期に作られた、潔いシンプルさが際立つ家具です。

山東省 清代のサイドテーブル
H: 89cm
河南省のアームチェア: 2脚対
W: 60cm D: 44cm

【上海アール・デコ/老上海スタイル】

 上海には19世紀後半から約100年間、租界と呼ばれる外国人居留地が存在していました。租界では中国古来の文化と欧米の文化が融合し、独特の世界が形成されました。

上海アール・デコ / 老上海(ラオ シャンハイ。租界時代の上海の呼称)家具はその時代、特に1920~30年代という、上海が最も栄えていたと言われる時代に作られた家具。優雅でアヴァンギャルドだった当時の匂いを放ち、欧米・中国・老上海それぞれのデザインが融合した、他には見られないスタイルです。

時代はアール・デコ全盛期であり、清朝崩壊後、クラシカル・チャイニーズ・ラグが欧米のセレブリティたちの間でステイタスシンボルとして所有された時期と重なります。

上海アール・デコのサイドテーブル
H: 55.5cm

 上記以外にも、明スタイル、上海アール・デコ/老上海スタイルから厳選した家具を期間限定にてMUNI南青山店で展示販売致します。

■ 期間中は、MUNIのカーペットをタペストリー(壁掛け)にするご相談を承ります。
■ 同期間中、早稲田にあるon the shore様の店舗ではMUNI CARPETS展が開催されます。中国アンティーク家具の魅力が気になられた方は是非、こちらの会場にもお運びください。

on the shore様ホームページ ↓
exhibition 2025 03 | MUNI CARPETS 展[on the shore]


日常に息づく美を皆さまにお届けする機会になりましたら幸いです。
どうぞお気軽にお出かけください。
皆さまのご来店心よりお待ちしております。

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news letter vol.62 : ~カーペットの選び方~「そのカーペット、お似合いです」

2025年2月1日


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 わたくしどもMUNIスタッフは、"インテリア(空間)に合うかどうか?”よりも、"そのものが好き”と感じる一枚を優先していただくことをお客様にお薦めしています。
そのうえで、”どれも好き”が複数あり、「どれがいい?」とアドバイスを求められた場合にスタッフが見るポイントは、"その方に似合うかどうか ”、です。

    昨年ご対応させて頂いたT様ご夫妻。
とても物静かな奥様が希望された深紅の無地のカーペットをお広げしたとき、もちろんご自身がお好きな色だから嬉しさで表情がパッと明るくなったというのはありますが、それ以上に、こちら側から拝見していて、奥様の美しさがその瞬間格段に映えたのが衝撃的で、なんどもそのことをお客様にお伝えしました。

カーペットは身にまとうわけではないですが、その方に似合う、空間に身を置いたときその方をより引き立てる色やデザインがあると改めて感じた出来事でした。
その方とカーペットの波動が響き合っているのだと思うのです。

 (余談)
 普段、占いや〇〇診断にはあまり頼らないスタッフFですが、その“衝撃”の直後、以前から興味を持ちいつつも受けたことがなかった「パーソナルカラー診断」を受けてみました。顔タイプや骨格、髪色、瞳の色から似合う色を診断するものです。自分を引き立ててくれる色はどんな色だろう??と急に気になったからです。

はたから客観的な目で見てもらわないと判らないこと、自分自身では気づけないことがありますね。


どのような気分か?と考えてみる

    先日ご対応させて頂いたお客様(I様)は、最終的に絞った3デザインで迷われましたが、困ったことに3デザインとも、お客様にお似合いでした。

その場合は、「このカーペットに、そしてこの空間に何を求めていらっしゃるか?」という観点でみていきます。
I様は、3枚のカーペットを「落ち着けるひと」「スタイリッシュなひと」「優しいひと」と擬人化され、「みんな素敵なんだけど、どのひとにする~~??」と愉しまれながら、最終的に「スタイリッシュなひと」を敷いたときにご自身の気分が上がる、という結論になりました。


 別宅としてそのお部屋を買われたときに、“年齢を重ねてもおしゃれな自分で居たい”と思ったことを思い出されたのだそうです。
「カーペットを選ぶ時間は、自分との対話そのものだった。いま何を求めてるのかが明確になった」と仰り、着地点を見出してホッと安心されたのでした。

 ご自宅で過ごす間じゅう目にするカーペットですから、ご自身を投影する、もしくはご自身の心の在り方を後押ししてくれるデザインを選ばれると、そこで過ごす時間がより心地よいものになりますね。
ワクワクする一枚を選ばれたとき、結果的にその方に「お似合いの一枚」となっているように思うのです。

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 今号は、日々お客様と接しているスタッフ目線でのお話でした。

店頭でカーペットを選ばれる際、「どのデザインが似合う?」とスタッフにお尋ねになってみて下さい。カーペットにお座り頂いてお写真を撮らせて頂くと、ご自身でも一目瞭然かも知れません。ぜひお試しください。

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news letter vol.61 : 年末ご挨拶に替えて

2024年12月27日

 2024年も残すところわずかとなりました。皆さま気忙しくお過ごしと存じます。
今年も一年、MUNI CARPETSをご愛顧下さりありがとうございました。心より御礼申し上げます。

 楠戸謙二がMUNI CARPETSを立ち上げたのは1989年。
”クラシカル・チャイニーズ・ラグ”と呼ばれる、明朝末期から清朝初期に宮廷に献上された幻の絨毯の存在を知り強く惹かれるも、中国王朝の衰退とともにその制作技術は途絶えていました。
そこで楠戸は、張 力新(Bill Zhang)氏と二人三脚で、シルクロード文化の結晶であり失われた至宝であるクラシカル・チャイニーズ・ラグを復興するための研究を重ねてきました。
往時の作品をより忠実に再現するため、アンティークの作品や文献を蒐集し、またメトロポリタン美術館の協力を得て調査研究を重ね、試行錯誤の末、手紡ぎ糸、植物染料による染色、古典的手結び制法、手鋏による仕上げなどの伝統技術を蘇らせることに成功しました。
以降、2024年の現在に至るまで、日進月歩、美しいカーペットを追求し制作を続けてまいりました。

無形文化遺産という勲章

無形文化遺産の認定証

 ただひたすらに「美」を追求し続けた35年。
中国の急速な経済発展とともに手織り絨毯の工房自体が消滅していくなか、MUNI CARPETSを生み出す「漢氈居」が中国国内で唯一、伝統製法を受け継ぐ工房となりました。

35年前当時は制作技術が途絶えていただけでなく、中国国内でもクラシカル・チャイニーズ・ラグの存在を知るひとはほんのひと握り。その文化的価値もなおざりにされていましたが、「漢氈居」の永年の工房の活動が評価され、2016年には甘粛省蘭州市の無形文化遺産の認定を受けました。さらに今年、2024年には甘粛省の無形文化遺産にも認定されました。
中国国内の自国文化への関心の高まりによって、国家の文化遺産となる日もそう遠くはないようです。

 楠戸謙二と張力新のふたりが始めた小さな工房の弛まぬあゆみが実を結んだ、2024年の嬉しいニュース。日頃、MUNIをご愛顧くださり支え続けてくださる皆さまへ、感謝を込めてのご報告です。

写真家・小川一真氏の撮影による紫禁城内部(1901年)
2000年に「発見」されるまで世界から忘れ去られていた
紫禁城の宮廷絨毯 撮影:張 力新

 清朝の衰退とともにその存在が忘れられていた宮廷絨毯。
MUNI CARPETSは、”Forgotten Carpets of the Forbidden City”(紫禁城の、忘れられた絨毯)を歴史に葬ることなく現代に蘇らせてきました。
その文化的価値をさらに広めるための種蒔きをしつつ、これまで抱いてきた想いを改めて強くし、また、誇り高き工房の職人たちの仕事に敬意を抱きながら、2025年に向けて胸をふくらませています。
工房代表 張 力新(Bill Zhang)氏のことばで年末のご挨拶を締めくくりたいと思います。

"日本と中国、二つの国の二人の個人として、
責任を持ってこのプロジェクトを進めようと決めました。
なぜなら、私たちは絨毯という伝統文化の重要性を他の誰よりも知っているからです。
伝統とは単なる職人の技術だけではありません。
先人の精神性をも汲み取り、受け継いでゆくこと。
それが伝統を守ることだと思います。
21世紀の今だからこそ、伝統を守り続けてゆく。
それが私の夢なのです。”

楠戸 謙二          張 力新


 皆さまと、皆さまの大切な方々のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。
どうぞ素晴らしい新年をお迎えください。

2024年12月27日

MUNI CARPETS
 楠戸 謙二
 スタッフ一同


MUNI CARPETSは12月27日(金)をもって年内の営業を終了させていただきました。
年明けは、全店1月4日(土)から営業致します。

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news letter vol.60 : アートとしてのMUNIを愉しむ

2024年12月1日


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「いつかMUNIが欲しい」と仰ってくださるお客様が多くいらっしゃいます。とてもありがたいことです。
一方で、いろいろな理由でその夢を叶えられずにいらっしゃる方が多いのも事実です。

 そんななか、この数か月、MUNI南青山店では、壁に設える【タペストリー】として夢を叶えるお客様が驚くほど続き、プチブーム、いや、かなりのブームになっています!
もはや“MUNI CARPETS 2024秋冬トレンド”と声高に言いたいくらいです(笑)。

“タペストリー(タピストリー)”の語源は、ギリシア語のタピ(絨毯)から変化したことば:タピセ(絨毯で覆う)。それがフランス語のタピスリーになったもの。フランス語でも絨毯(カーペット)はTapis(タピ)と言います。
タペストリーにすることでMUNIの夢を叶えたお客様のご納品事例をご紹介させて頂きます。


「いつか」を「いま」叶える

 車越しにMUNI南青山店のショーウィンドウを何十年来ご覧くださっていたお客様。
「いつか、いつか」と思われていたそうですが、ご自宅を購入され、「やっと自分の好きに空間を作れるようになったので、タペストリーとして設えたい」と、ご来店くださいました。
 ご家族の集う空間とのことで、ご家族揃ってデザイン選びにいらしてくださり、さらにはイギリスに留学中のお嬢様のご意見も合わせた家族投票の結果、全会一致で!愛らしい博古文様のデザインをお選びになりました。
この空間を拝見するだけで、ご家族の朗らかな笑い声が聞こえそうです。


「足元」が心配なら壁に飾る!

91×152cm/Design No.096

 永らくMUNIに想いを馳せてくださっていたお客様。
天使のようなお嬢様とお坊ちゃまをお連れになり来店されました。
「そろそろ情操教育をしたいなと思って」と、ご夫妻の寝室の壁にアートとして取り入れられました。ご両親が愉しまれるのはもちろん、幼いお子様たちも一生懸命背伸びをしてカーペットの手触りを喜んで下さり、着実に豊かな心を育まれているようです。


 また、画像はありませんが、猫ちゃんを飼いたいので2年越しにMUNIをためらっていたお客様も、「壁にかければ心配ないと思い立って!」と、この度タペストリーとしてお求め下さいました。


空間を彩るアートとして

 次にご紹介するのはご自宅ではなく、ご職場の空間にを彩るアートとしてMUNIを入れて下さっているお客様のお写真です。

61×91cm/Design No.076A

 都内に数か所店舗を展開されている老四川料理の『飄香(ピャオシャン)』さん。
以前からMUNIをお使い下さっていましたが、本店を移転オープンされた際、新しくお求めくださったのは、四色の藍で染め分けた一枚。コンクリート打ちっぱなしのモダンな空間に、シンボリックなアートとなりました。
本場中国の老四川料理を追求する井桁シェフの空間の設えの仕上げとしてお選び頂き大変光栄です。


137×198cm/Design No.009D

 ご職場の空間、しかも執務室の壁にMUNIを、とおっしゃってくださったのは長年MUNIをご愛用くださっているお客様。
絵画の購入も検討されたそうですが欲しい作品が無く、それならば普段から大好きなMUNIを、と会社にご提案され、採用された事例です。
「殺風景だった執務室が落ち着いた雰囲気になり、また遠目の景色が映えるようになりました。」とのお声を頂き、大変嬉しく思います。


玄関敷きからタペストリーに

55×75cm/Design No.085B

 以前、一目惚れされてお玄関敷きでご愛用くださっていた瑞雲文のカーペット。
お引越しされたことで、ご新居のお玄関にサイズが合わなくなり、新しいカーペットをお求めくださいました。
そして、永年お使いになり味わいを増した瑞雲文は、第二の居場所として、タペストリーに生まれ変わりました。廊下の突き当りに窓が新たに追加されたような錯覚を覚えます。
まずは踏み心地をお愉しみ頂いた上で、タペストリーに、という順番も新鮮で嬉しい事例です。カーペットも喜んでいるようです。


玄関敷きからタペストリーに足元にも。タペストリーにも。ダブルMUNI ♪

55×75cm/Design No.085A

 今回タペストリーとして設えて下ったお客様方の想いは様々ですが、共通して言えるのは、皆さま“いつか”を前向きに“いま”叶えられたこと。
そして「叶えてよかった!」と口を揃えて仰ってくださったこと。
MUNIをお使いくださる入口の、ひとつの選択肢としてのタペストリー。ご参考になれば幸いです。施工方法など、お気軽にご相談下さい。

 “BUCKET LIST (WISH LIST)”にMUNIが入りつつ、なぜかどんどん先に延びている方(笑)、今回ご紹介させて頂いた皆さまのように、MUNIと笑顔を両方手に入れませんか?
2024年を、満たされた気持ちで締めくくれること間違いありません。

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news letter vol.58 : ご自宅パワースポット化計画 – 長く過ごす場所を“パワースポット”に –

2024年10月3日


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 先日、とあるレストランを知人に紹介したところ、早速予約を取って行ってきたとの連絡がありました。

「久しぶりに心に響いてくる料理で、ゴツンと殴られた感じ」という感想とともに、「お店に入るなり感じた凛とした空気が素晴らしかった」「ここ数年心身ともに絶不調だったのだが、もしかするとそれは自分に甘えてだらしなくなっていたのかも。今、久しぶりに家を整えています♪」と。

レストランという場所の訪問が、長年の不調の出口が見えるきっかけとなったようなのです。

「COTE D’OR」/東京・三田

  神社やお寺など、いわゆる「パワースポット」と呼ばれる場所に足を運ばなくても、「心地よい」と感じれば、そこがそのひとにとってのパワースポット。
そう考えれば、長い時間を過ごす【ご自宅】をパワースポットにしない手はありませんよね?

パワースポットとセラピーラグ

 つい最近南青山店にてカーペットをお求め下さったお客様は、「MUNIのカーペットに身を置いたとき、まるで魔法の絨毯のように、”どこかに連れて行ってくれそうな”感触がある」との感想をくださいました。まさに、その方にとっては、MUNIを敷く空間がパワースポットになるに違いありません。

  また、2005年にドイツ・ケルンでクラシカル・チャイニーズ・ラグの展覧会が開催された際の、ロシア・サンクトペテルブルクのクンストカメラ博物館・学芸員エレナ・ツァレヴァ氏の講演会において、
“チャイニーズ・ラグの他に類を見ない配色とデザインには、心に安らぎをもたらす効果がある”という発言がありました。  

確かに、MUNIのカーペットをお使いただいている多くのお客様から、「心が安らぐ、心地よい、目も心も喜ぶ」などの精神的な作用に関するおことばを頂いております。
私たちスタッフも、日々目にすることで安らぎを得ており、MUNIのカーペットは“セラピー(癒し)”だなと実感しています。

ご自宅パワースポット化計画

 先日、文筆家キャメレオン・竹田さんのご本のなかで、MUNI CARPETSを取り上げていただきました。(『いちいち幸せになる本』
MUNI CARPETSに一目惚れなさり、家を出るときも入るときも“いちいち幸せに”(笑)感じて頂けているとのこと。大変に光栄です。
キャメレオンさん曰く、「わたしにとっては自宅が圧倒的なパワスポです。わたしは家を、自分にとってもっとも心地よい空間にしています。いちいち自分を大満足をさせることが、大満足を経験することに繋がるからなのです」(本文から抜粋)

 「インテリアは難しい」「インテリアに自信が無い」と仰るお客様も多くいらっしゃいますが、ご自身の「気分が上がるもの」「心地よいと感じるもの」を揃えていくこと、それがご自身の波動を整え、心を豊かにし、さらに、「パワーアップ」する秘訣なのではないのではないでしょうか。

 かく言う私も、つい先日から「自宅パワースポット化計画」に着手しており、自宅での時間はもちろん、帰宅が楽しみで仕方ない、心地よい日々を過ごしています。

 心地よい秋風がたったこのタイミング、皆さまも「ご自宅パワースポット化計画」始めたくなりませんか?  
そこには是非MUNI CARETSを!!
今号も最後までお読み頂きありがとうございました。

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news letter vol.57 :Elements of China – 中国からの風 –

2024年9月1日

MUNIでは、月に1度メールマガジンをお届けしています。
その内容をこちらでも紹介させていただきます。
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イベントのご案内

Elements of China – 中国からの風 –

 このたび、BEAMSクリエイティブディレクターの南雲浩二郎さんからお声かけ頂き、THE CONRAN SHOP代官山店にて開催されておりますイベント「Elements of China -中国からの風-」にMUNI CARPETSも参加させて頂いておりますので、ご紹介をさせていただきます。

 今回の会場であるTHE CONRAN SHOP代官山店は、いくつかある店舗のなかで、「アジアの作り手やデザイン」にフォーカスし、2023年4月にオープンしたコンセプトショップです。

 本イベントでは、南雲浩二郎さん(プロフィール下記)が企画からキュレーションまでを手掛けられ、中国の古家具や生活道具などに合わせて、日本に伝来して独自の変化を遂げた”唐物”と呼ばれる骨董の花籠や、宋の時代の陶磁器にインスパイアされた、スウェーデンの名工Berndt Friberg(ベルント・フリーベリ)のストーンウェア、そして明代の宮廷絨毯にルーツを持つMUNIのカーペットが共演しています。
  現代書家 華雪氏による描き下ろしの”書”も加わり、『中国の文化や工芸に影響を受けつつ独自のスタイルに至った様々な作品』と、年月を経て『その基となった中国からのアイテム』とが”再会” することにより「モダンさ」が際立ち、時空を越えた新たな東洋の魅力が表現されています。

【南雲 浩二郎氏 Profile】
 1985 年、International Gallery BEAMS入社、11年間勤務。⻑く店舗ディスプレイを担当していたノウハウが、現在のさまざまなディレクションに⼤きく活かされている。その後、VMD 統括として ビームス百数⼗店舗の内装ディレクションを⼿がける。現在は社内外問わず、モデルルームのインテリア、内装設計、美術館グッズの制作、クリニックのリブランディングや映画の⾐装協⼒まで、デザイン領域を中⼼としたプロジェクトを多数担当。(BEAMS HPから引用)


On the shore谷氏のセレクトによる家具と灯屋さんセレクトによる籠を、MUNIのカーペットに合わせて。
時空を越えた「再会」




 8月16日には、現代書家 華雪氏による書の公開制作が行われました。その制作パフォーマンスを受け、南雲 浩二郎氏が聞き手となり、中国の文化や工芸に影響を受けたものたちの背景や成り立ちを掘り下げるトークイベントにMUNIオーナーの楠戸も参加させていただきました。参加者それぞれが育んできたもの、生み出してきたもの、縁あって手元に選びとってきたものたちの背景や想いが交わりあう、まさに「再会」の場となりました。


トークイベントの様子
(左から)南雲氏、on the shore 谷氏、書家 華雪氏、灯屋 新治氏、MUNI CARPETS 楠戸



テレンス・コンラン卿の愛した・・・

テレンス・コンランの商品選びのコンセプトであった「SIMPLE」が際立つ取り合わせ


 1973年、イギリス ロンドンに産声を上げ現在では世界各地で展開しているTHE CONRAN SHOPの創始者は、イギリスを代表するデザイナーの一人であるテレンス・コンラン卿。
デザイン分野における功績と文化事業が評価されて1983年にエリザベス女王から「Sir」の爵位を与えられ、“モダンデザイン”という新たな時代を最前線で切り開いてきました。

そんな彼の著書のなかには、「絨毯は、手織り絨毯に限る」というフレーズがあります。
1994年の日本上陸から30年。
コンラン卿は、2020年に88歳の生涯を閉じられましたが、「もしコンラン卿がご存命なら」MUNIのカーペットを選び、愛したかも知れない、と想像を巡らせながら会場をご覧頂けたら愉しいと思います。

Elements of China -中国からの風- 引き続き開催中です。お時間許せば、是非お運びくださいませ。

【Elements of China -中国からの風-】 

開催中開催期間:8月15日(木)-9月8日(日) *水曜定休
開催場所:ザ・コンランショップ代官山店
協力:on the shore・ギャラリ-北欧器・灯屋・書家 華雪・MUNI CARPETS
企画・キュレ-ション:南雲 浩二郎氏

店舗情報:
東京都渋谷区猿楽町18-8 ヒルサイドテラスF棟 B1F
Phone:03-6703-6700
Email:daikanyama@conranshop.jp
営業時間:11:00~18:00 / 金・土 11:00~19:00
定休日:水曜日アクセス:
東急東横線 代官山駅より徒歩3分
東急東横線・地下鉄日比谷線 中目黒駅より徒歩7分
JR山手線・JR埼京線・地下鉄日比谷線 恵比寿駅より徒歩10分

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news letter vol.56 :MUNI玄関考 「結界」としての「玄関」

2024年8月1日

MUNIでは、月に1度メールマガジンをお届けしています。
その内容をこちらでも紹介させていただきます。
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 「玄関」は、「建物の入り口」としては世界共通なのですが、家相や方位などを大切にする日本人にとっての「玄関」とは、精神性も併せ持ったなにか象徴的な位置付けがあると、私どもは考えています。

「玄関」とは「結界」であり、ハレ(聖域)とケ(俗域)を隔てるもの。 「結界」とは、仏教とともに日本に入ってきた、空間の領域を設定することばです。
のちに密教の影響を受け、「結界」の内側が浄域(聖域)、外側を不浄域(俗域)という意味も加わったといいます。

日本古来の信仰である神道においても同様の考え方があり、鳥居やしめ縄などを結界とし、それより内側は浄化された神聖な領域であるということを表すそうです。
日本建築の襖、衝立、障子、縁側なども、内と外を区切る結界の一種です。
また、茶道では、茶室に至る露地に客が立ち入らないようにとの目印として縄で結んだ石(関守石・留め石)、あるいは小石に差し渡した竹筒などを置いて、結界とします。

とりわけ、茶室の入口である躙り口(にじりぐち)は、俗世間(茶室の外)と聖なる空間(茶室の中)を隔てるための重要な結界です。
茶室における躙り口(にじりぐち)は、ご自宅における玄関の位置付けにつながるように思います。

日本庭園や茶室に見られる「結界」

玄関敷きの役割

 このように日本では、一般のご家庭においてもハレ(聖域)とケ(俗域)を隔てる「結界」としてのお玄関を、象徴的な位置付けとする考え方が古来より受け継がれてきました。
そんなお家の顔である大切なお玄関に敷く玄関敷きは、床が固いから、足を拭きたいからという実用的な目的ではなく、ハレの場である家の象徴として、もしくは外と内の「結界」として、お玄関に玄関敷きを敷くという考えが広く定着していきました。
そして現代においてもその家を象徴する玄関インテリアになくてはならないものとなり、日々のお出かけとご帰宅、そして来訪者を温かく見守ってくれる、より身近な存在へとなっていきました。


MUNIの玄関敷き

 MUNI CARPETS の玄関敷きの意匠は全て、吉祥文を用いてデザインされています。
お家の玄関(外との結界)を守るものとしてMUNI の玄関敷きは相応しく、お玄関敷き選びの際には皆さまがご自身やご自宅に相応しい文様を選ばれ、皆さまの日々に寄り添うアイテムとして、ご愛用頂いております。

 私どもMUNIは創業から35年にわたり玄関敷きを大切に考えてきました。
それはMUNIが日本のブランドだからこそできる、日本の住宅やライフスタイルに対応したきめ細やかなサイズの調整や、色・デザインの開発などのアップデイトを続けることなのです。
サイズやデザインを含めると今や200種類にも及ぶ豊富なラインナップ、色の美しさとコンフォートを実現したクオリティの高さで多くの皆さまにご支持を頂いております。


 その意匠においても、魔除けの意味を持つ龍の文様や、お家の繁栄を意味する蓮の文様、永遠の幸福を意味する唐草文様など、吉祥文様が描かれたデザインはお家の顔である玄関に相応しく、洗練された玄関インテリアの設えに一層の美と格調を添えます。
皆さまの心に響く文様はおひとりおひとり異なります。
お客様おひとりおひとりの想いを文様に乗せ、親しみを持ってお使いいただけるのがMUNIの玄関敷きなのです。

今後もMUNIは、皆さまの大切なお玄関を美しく彩り、あるときはそっと、あるときは頼もしく心の後押しをしてくれるような玄関敷きを制作し、お届けしてまいります。

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