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MUNI 投稿記事一覧

スモールカーペット のご紹介⑤  ~MUNI南青山本店より

2022年12月21日



新年を迎えるに相応しいラグ。
今日ご紹介するのは、守護神である龍と植物が一体となった草龍文がインパクトあるデザイン。

今回は床座でのお座布団として設えています。
55×75cmなら、正座はもちろん、脚をくずしてもちょうどよいサイズ感。
手紡ぎ糸を手織りしているので、弾力性と暖かさも抜群です。

陽だまりの窓辺にお膳を持ち出して一緒に合わせれば、ティータイムを愉しめるコーナーの完成。

手軽に移動させることができるのが、55×75サイズの得意技。
移動する陽だまりに合わせて移動することだって簡単です!

Size 55x75cm
Design No.041(上:ゴールド地)
Design No.041 (858)(下:藍地) 
PRICE ともに206,800円 (税込価格)


※写真の御品は、現在MUNI南青山本店にてご覧いただけます。
在庫は変動する可能性がございますので、詳しくはお尋ねください。



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スモールカーペット のご紹介④  ~MUNI南青山本店より

2022年12月19日

新年を迎えるに相応しいラグ。
今日の一枚はこちら。 


天然藍で黒に限りなく近くなるまで10数回染め重ねた鉄紺の地に、象牙色のモチーフ。
蓮の花を象った丸文様は、「お家の繁栄」や「清らかで徳の高い人格」をあらわしています。

タペストリーとして壁に掛ければ、 一枚のアートとして、 抜群の品格と存在感を放ちます。 そして、丹念に織り上げられた表情を 間近に見て愛でることが出来、 床に敷いたときとはまた違った、 贅沢な愉しみ方が出来ます。

Size 55x75cm
Design No.009A
PRICE 187,000円(税込価格)



いかがですか? コンパクトで持ち運びが楽な55x75cmサイズならではの素敵な使い方。
そして、このサイズでしか醸し出せないキュートなデザイン。

ぜひあなたのかたわらに。

※写真の御品は、現在MUNI南青山本店にてご覧いただけます。
在庫は変動する可能性がございますので、詳しくはお尋ねください。

MUNI南青山本店
℡  (03)5414-1362
mail gallery@muni.co.jp



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スモールカーペットのご紹介③ ~MUNI南青山本店より

2022年12月18日

いま、快適な在宅勤務のためにチェアを新調されたり、
デスクの足下にちょっといいラグを導入されるかたが増えています!

今日ご紹介するのは、藍色地の幾何学文様のカーペット。
藍の濃淡で織り上げられた意匠は端正かつ繊細で、静かな色味のなかにも
しっかりとした華やかさがあります。
吸い込まれそうなブルーが美しく、集中力がアップしそうですね!


フィールドの萬字文様は太陽や星をあらわし、「萬事如意(すべてのことを願い通りに)」を願う古い吉祥文様です。
中央のメダリオンは龍を抽象化したもの、ボーダーの牡丹の花は中国における「美しさ」の象徴です。

Size 55x75cm Design No.024
PRICE 205,700円(税込価格)

※写真の御品は、現在MUNI南青山本店にてご覧いただけます。
在庫は変動する可能性がございますので、詳しくはお尋ねください。

MUNI南青山本店
℡  (03)5414-1362
mail gallery@muni.co.jp

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スモールカーペットのご紹介② ~MUNI南青山本店より

2022年12月17日

今日のスモールカーペットは、あたたかなテラコッタブラウンがきれいな一枚。

アッシュブルーの文様とのコンビネーションが穏やかで、さりげないお洒落感が漂います。

今回はウィンザーチェアの足下に設えて、自分だけの特等席をつくってみました。
白の大理石とテラコッタブラウンの相性も良く、どちらも映えて素敵です。

この丸文様は、蓮の花を象ったもの。
蓮は「お家の繁栄」や「清らかで徳の高い人格」をあらわします。

これからどんどん寒くなる季節。
お気に入りのチェアに素敵なカーペットを合わせて、ご自宅でのリラックスタイムを楽しんでみませんか?
目も素足も嬉しく、気持ちよく過ごせますよ!

Size 55x75cm Design No.009D
PRICE 187,000円(税込価格)

※写真の御品は、現在MUNI南青山本店にてご覧いただけます。
在庫は変動する可能性がございますので、詳しくはお尋ねください。

MUNI南青山本店
℡  (03)5414-1362
mail gallery@muni.co.jp

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スモールカーペットのご紹介① ~MUNI南青山本店より

2022年12月16日

新しい年に向けて、どこか心浮き立つような雰囲気が漂う青山界隈です。
そんな季節に相応しいスモールカーペットが、MUNI南青山本店に入荷しています。

深い藍色地に、きらめくようなホワイトと水色が目を惹くデザイン。
一日の始まりを告げる朝日から藍色が深まる夕暮れ時まで、豊かな表情の変化が魅力的です。
蓮と龍を象った丸文様には、「繁栄」と「魔除け」の意味が込められています。

たとえば、毎日「行ってきます」と「ただいま」を言う場所に敷いてみるのはいかがでしょうか?
2023年、過ごす日々が一層いとおしく、特別に輝きだすはずです。

Size 55x75cm Design No.006A
PRICE 187,000円(税込価格)

※写真の御品は、現在MUNI南青山本店にてご覧いただけます。
在庫は変動する可能性がございますので、詳しくはお尋ねください。

MUNI南青山本店
℡  (03)5414-1362
mail gallery@muni.co.jp

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news letter vol.37 : Tiffany Rugという伝説のラグ

2022年12月1日

MUNIでは、月に1度メールマガジンをお届けしています。
その内容をこちらでも紹介させていただきます。

過去のアーカイブはこちらから


 クラシカル・チャイニーズ・ラグには様々な名品がありますが、そのなかでも「Tiffany Palace Carpet」、通称:Tiffany Rug(ティファニー・ラグ)とも呼ばれる、マニア垂涎のラグがあります。
明時代の、荘厳なまでの蓮花文様のラグです。

”Tiffany Rug”の部分画像
The Textile Gallery:
『Classical Chinese Carpets in Western Collection The Kangxi period, 1661-1722』


|Louis Comfort Tiffany (1848〜1933)

 インペリアル・イエロー(黄金)に輝く”Tiffany Rug”の名称の由来は、かつての所有者ルイス・カムフォート・ティファニー(Louis Comfort Tiffany:以下、”L.C.ティファニー”)の名前から来ています。
水色のboxで有名な宝飾店、TIFFANY and Co.の創業者チャールズ・ルイス・ティファニーの息子です。

晩年のルイス・カムフォート・ティファニー
画像:Marilynn A. Johnson著『Louis Comfort Tiffany artist for the ages』

 

 現在のTIFFANY and Co.は、1837年に創業者のチャールズ・ルイス・ティファニーが友人のジョン・B・ヤングとともにニューヨークのブロードウェイに店を開いたのが始まりで、主に中国のアンティークや高級雑貨を扱っていました。
L.C.ティファニーはそのような環境の中、アジア、とりわけ中国や日本の文化芸術に強く惹かれていきます。そして、家業の宝飾業の分野よりむしろ芸術家、室内装飾家として名を馳せ、アメリカにおけるアールヌーボーの第一人者となります。

|“Light Comes from the East”

 L.C.ティファニーは、自身を「色彩を重んじる芸術家」としており、生涯のうちの多くの時間、世界各地を旅して各地の宝石や家具、木工品や絵画を蒐集することで新たなデザインのヒントを求めました。

  L.C.ティファニーのニューヨーク・ロングアイランドの自邸:Laurelton Hallには、”Native American room”などのほかに、”Chinese Room”、“Japanese Room”という部屋があり、東洋の芸術品で溢れていました。
彼が手掛けたアールヌーボーの作品群にはしばしば東洋美術の色彩にインスパイアされたものが多く見られますが、彼の個人コレクションや中国美術・日本美術への情熱の深さについては、あまり知られてはいません。
19世紀後半、多くのアメリカの芸術家にとって東洋(the East)の芸術が一過性の流行だったのに対し、L.C.ティファニーにとっては生涯情熱を傾けるものであり続けました。

Tiffany Lamp。
日本の秋の風物詩であり「勝ち虫」の別名を持つトンボがモチーフ。
画像:Marilynn A. Johnson著『Louis Comfort Tiffany artist for the ages』

|クラシカル・チャイニーズ・ラグとの邂逅

 時は1910年代。
2022年8月1日配信のメールマガジンでもご紹介しましたが、中国では清王朝が崩壊し、王宮である紫禁城の調度品の品々の一部が、欧米や日本の古美術商(House of Yamanaka=山中商会)の仲介により欧米のマーケットに紹介するやいなや上流階級のひとびとの羨望の的となります。

 羨望の眼差しを向けたセレブリティのひとりが、今回の主人公L.C.ティファニー。
1895年からブロードウェイに店を開いていたHouse of Yamanakaから、紫禁城および満州の王宮を飾っていた調度品を入手します。
それが、L.C.ティファニーとクラシカル・チャイニーズ・ラグとの出逢いでした。
「色彩」に人並外れた感覚を持っていた彼が、神々しいインペリアル・イエローに心をわしづかみにされたのは想像に難くありません。

1911年山中商会のオークション目録
MUNI蔵書
 

| Tiffany Collection

 L.C.ティファニーは、1918年、次世代の芸術家たちに活躍の場と自由を与えることを目的とし、Louis Comfort Tiffany財団を設立します。そして、広大な土地と、生涯を通じて蒐集した膨大なコレクションを含むLaurelton Hallの自宅財産を財団に寄付しました。

 財団設立のもうひとつの目的は、コレクションを保存することでしたが、1933年のL.C.ティファニー没後、Laurelton Hallの維持管理が困難となり、1945年以降、財団は全ての財産をオークションで売却して現金化する苦渋の決断を余儀なくされます。
こうしてオークションによって現金化された財産は、芸術を学ぶ学生たちの教育援助資金として使われ、結果的に、L.C.ティファニーが望んだ目的の使途となりました。

 1946年にニューヨークで行われたオークションでは、彼自身の作品を含むコレクションが公開されました。
広範囲に及ぶラグも注目を浴び、オリエンタルラグ、毛皮のラグのほかに、彼自身の設立した「Tiffany Studios」がデザイン・制作したラグも含まれていたそうです。
オークションの様子を写した下記写真の左下部に、伝説の“Tiffany Rug”が見て取れます。

1946年に行われたTiffany Collectionオークションの様子
画像:Yale University Press: 『LOUIS COMFORT TIFFANY AND LAURELTON HALL』


 

|現代に蘇った“Tiffany Rug”

 現在、MUNI CARPETSでは、メトロポリタン美術館に所蔵されている同類の作品を参考に再現した”Tiffany Rug”がご覧頂けます。Covid-19の数年を経て、蘭州にある工房から織りあがってきたその作品は、とりわけ黄色の発色が素晴らしく、かつて「インペリアル・イエロー」と呼ばれた鮮やかで高貴なクラシカル・チャイニーズ・ラグに限りなく近い、神々しいばかりの仕上がりです。

  L.C.ティファニーも惹かれたであろう鮮やかな黄色、インペリアル・イエロー。
実は長年研究を重ねつつも、出したくても出せなかった色でした。
工房・漢氈居では、Covid-19の期間もこの色を再現するための努力を脈々と続けてくれており、この度、MUNIの特別なラインであるインペリアルラインとして、満を持して皆さまにお披露目が叶うこととなりました。

南青山本店、倉敷本社店にてご覧いただけますので、ご興味おありの方は事前にご連絡頂けましたら、ご準備させて頂きます。(2022年12月1日現在)


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IMPERIAL LINE展のお知らせ

2022年11月18日

IMPERIAL LINE(インペリアルライン)は、創業時よりMUNI CARPETSが大切に作り続けている、
16〜18世紀の中国宮廷絨毯を、できるだけ近いかたちで再現している作品群です。

当時の優雅で煌びやかな暮らしに想いを馳せながら織り上げたカーペットは、
幻の技術を現代に蘇らせたMUNIの技巧を最もご堪能いただける芸術作品になります。

このコロナ禍を経て、わずかではありますがその新作が織り上がってまいりました。

30年に及ぶ長年の研究と、織りや染色、下絵にいたるまで、
創意工夫を続ける職人たちの巧みな技は、ますます円熟味を増しています。
私たちMUNIスタッフも待ちに待った新作です。

MUNIでしか見られない宮廷絨毯。

世界一華やかで洗練された時代の中国文化の「美の世界」を是非ご体感ください。

展示はMUNI南青山本店から始まり、MUNI倉敷店に巡回いたします。
皆様のご来店を心よりお待ちしております。

THE IMPERIAL


◆MUNI南青山本店
  会期:11月23日(水・祝)~28日(月) 11~18時
  定休日:毎週火曜
  TEL (03)5414-1362
◆MUNI倉敷本社店
  会期:12月8日(木))~12日(月) 10~18時
  定休日:毎週火・水曜
  TEL (086)426-6226

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Life with MUNI 【ご納品事例】

2022年11月13日

この度、アンティークや絵画、エミール・ガレなどのアートに大変造詣の深いI様ご夫妻にお引っ越しを期に、リビング用のカーペットを探しにご来店いただきました。

I様ご夫妻は元々アンティークのカーペットにも造詣が深く、さまざまな国の100年以上経過したアーンティーク・カーペットをお部屋の随所にお使いになられていました。

リビングにはコレクションの赤色が基調となった絵画的なデザインのカーペットをお設されており、ここのところ、見ているとだんだん疲れるようになってこられたとのことで、シンプルな無地のようなカーペットに敷き変えたいというご要望でした。

そして、25年前に初めてMUNIをお求め頂いてから、ずっと大きいサイズのカーペットを欲しいと思ってくださっていたとお話しくださいました。

この度お選びいただいたのは、ベージュの地色に淡く幾何学の梅紋様が浮かび上がる、ブルーの雷文がアクセントになった作品です。

お部屋はタワーマンションの上階、美しくディスプレイされたガレやアンティークバカラ、そして家具はイタリアの名門ポルトローナ・フラウやイギリスのアンティーク家具がミックスされ独特の世界を放っています。

そして、コレクションのペルシャのアンティークカーペットとMUNIのカーペットも前からそこにあるように調和し、お部屋全体をまとめています。

お部屋にお設させていただいたと同時に「わー、明るくなって広く見えるわ!」また「心が静まるね」とお喜びいただきました。

ご主人様にコーヒーを淹れていただき、窓辺のポルトローナフラウの丸いソファーで奥様の陶芸のお話や、ご主人の趣味のお話など束の間でしたが、私たちも至福の時を過ごさせていただきました。

そして、帰り際に、奥様から、「MUNIさん、やっと夢が叶いました。ご縁をありがとう。」

と、仰しゃっていただき、胸が熱くなりました。

お客様とカーペットを通してこのように心の交流をさせていただけることに感謝の気持ちでいっぱいです。

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工房「漢氈居」Bill Zhang氏来日

2022年11月12日

右から Bill Zhang 氏 楠戸、スタッフ

先月パートナーのBill Zhang (張力新氏)が久々に来日しました。

コロナが始まって、3年ぶりの再会です。

いつもは、電話やFacetimeで話すのですが、やっぱりリアルはいいですね!

今回は、2日間、青山店で、スタッフとの交流と工房の話や、中国のカルチャーについてリアルに聞けた充実したひとときでした。

ご来店のお客様にも、張さんから直接聞いた工房のお話しなど、是非させていただきたいと思っています。

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news letter vol.36 : 特筆すべきインテリアデザイナーたちとチャイニーズ・ラグ

2022年11月2日

MUNIでは、月に1度メールマガジンをお届けしています。
その内容をこちらでも紹介させていただきます。

過去のアーカイブはこちらから


 MUNI南青山店からほど近い表参道には、LOUIS VUITTON、ARMANI、CHANEL、GUCCI、HERMES、Ralph Laurenなど世界のラグジュアリーブランドが軒を連ねています。ウィンドウには暖かなアウターがディスプレイされ、その華やかな雰囲気に、仕事帰りに通りをそぞろ歩くだけでも気分が高揚してきます。

|美学の延長線上である住まい

 ブランドショップを訪れたときに感じる高揚感を作り上げているものは、商品である服やバッグ、靴だけではありません。店舗の設え、家具の配置の仕方、小物使いや飾られている花など、その空間自体に魅力が詰まっています。

  例えば、ラグジュアリーブランドのひとつ、ARMANIは、2000年にARMANI|CASAというプロジェクトを発表しました。これは、デザイナーのジョルジオ アルマーニ自身が、住まいを美しく装飾することへの憧れから、自らのビジョンや美学をインテリアデザインの領域にまで拡げ、トータルライフスタイルを提案するプロジェクトを構築したもので、ファッションの領域を超えて自身が理想とする美学の延長線上に位置づけたものだそうです。

  そんな「理想の美学の延長線上たる住まい」を表現する天才ともいえる、世界のカリスマ的インテリアデザイナーたちをご紹介していきます。


|特筆すべきインテリアデザイナーたちとチャイニーズ・ラグ

1:PETER MARINO ピーター マリノ

 上記に挙げたイタリアン・モードの巨匠ジョルジオ アルマーニは、世界各地に自邸を持っていましたが、彼の創作の基地とも言えるミラノの自邸のインテリアデザインを手がけたのは、ピーター マリノ(Peter Marino)。
ピーターマリノは世界のハイブランドのフラッグシップショップ(旗艦店)を手がける、今をときめくインテリアデザイナーの一人です。日本では銀座のCHANELや、BVLGARIなどの店舗を手がけたことで有名です。

  1980年代、そのピーター マリノがジョルジオ アルマーニの依頼を受け表現したのは最も優雅で洗練された時代・1930年代の香り漂うシンプル・ラグジュアリーでした。選んだのは、1930年代のフランスのインテリアデザイナー、ジャン・ミッシェル・フランク(Jean Michael Frank)の家具と、そして、チャイニーズ・ラグ。シンプルな西洋のモダンな家具と空間をベースに、東洋の優雅な伝統美が融合されたラグジュアリーな空間を実現しました。

画像:AD Magazineフランス版より
Visite du palais milanais de Giorgio Armani | AD Magazine

 

2:FRANCES ELKINS (1888-1953) フランセス エルキンス

 20世紀初頭には、それまでの様式化されていたインテリアから、さまざまな国や時代をミックスした「エクレクティック(折衷)スタイル」を提唱した立役者がいました。
アメリカ人インテリアデザイナー、フランセス エルキンス(Frances Elkins)です。

 エルキンスは1908年から1911年の間、ヨーロッパを精力的に回るなかで建築などについての強い影響を受けました。
その滞在中、フランスの著名なインテリアデザイナーであり家具デザイナーである ジャン・ミッシェル・フランク (Jean Michael Frank) やスイスの彫刻家アルベルト・ジャコメッティ(Alberto Giacometti)と出逢い、エルキンスは、その後彼らに調度品を制作してもらうこととなります。
そしてエルキンスとの仕事が、ジャン・ミッシェル・フランク、アルベルト・ジャコメッティの二人のアメリカでのキャリアを押し上げました。

 1930年代に入りエルキンスのキャリアは大きく開花しました。彼女は、特別にデザインしたpalazzo(館)にて、数々のスタイリッシュで文化的なヨーロッパの友人たちをもてなしました。そのなかには、サルバドール・ダリやココ・シャネルもいました。

 エルキンスもまた、モダンでラグジュアリーな設えに欠かせないアイテムとして、東洋の伝統美を表現するためにチャイニーズ・ラグを取り入れていました。
 エルキンスが提唱した洗練されたスタイルは、現代のインテリアデザイナーたちに多大な影響を与え、現在では普遍的なスタイルとして世界中で取り入れられています。

出典『CALIFORNIA DESIGN LIBRARY Living Rooms』
Diane Dorrans Saeks著、沖野十亜子訳 


3:MICHAEL S SMITH  マイケル スミス

 アメリカのインテリアデザイナーTop 10に選ばれ、オバマ大統領時代のホワイトハウスの住まいも手掛けたのが、L.A.の超カリスマ的存在マイケル スミス(Michael S Smith)。上述のフランセス エルキンスの組み合わせた膨大なデザインやスタイルから、今でもインスピレーションを得ているといいます。

「そこに住む人を思わせる部屋」をモットーにデザインされたラグジュアリーな空間は、L.A.に限らずN.Yのセレブリティにも絶大なる人気があります。そんなマイケル・スミスが彼自身の館に選んだのは、これまたチャイニーズ・ラグ。

ここでも、西洋のヴィンテージ・モダンをベースに、東洋の伝統美を取り入れることで、モダンで、よりラグジュアリーな空間を実現しています。 チャイニーズ・ラグを取り入れたこのスタイルは1930年代のエルキンス時代から続くラグジュアリーのお手本となっているのです。

出典『California Interiors』
Diane Dorrans Saeks著


4:THOMAS O’BRIEN トーマス  オブライエン

 最後にご紹介するのは、ニューヨークを拠点に活躍し、かつてラルフローレンのフラッグシップショップなどのインテリアデザインを手がけた実績があり、自身のインテリアブランドも展開するトーマス オブライエン(Thomas O’Brien)。

 彼のデザインはニューヨーカーらしい、重厚さと、モダンクラシカルな、様式にとらわれない「エクレクティック」で表現されています。

彼がインテリアデザインを進めていく際、まずカーペットを決めることから始めるといいます。それだけカーペットはインテリアの印象を方向づけるからなのです。
下の写真では、たっぷりとした余白に中国の伝統的な龍の意匠のカーペットが、コロニアルスタイルの椅子や18世紀のロココ調の椅子などを、モダンかつシックにまとめあげる役割をしています。
モードの世界にも精通したオブライエンならではの軽快なカッコ良さが魅力です。

   余談になりますが、表参道のラルフローレンでも各コーナーごとにヴィンテージカーペットが惜しげなく敷かれており、またブルーアンドホワイトのジンジャーポットなどの小物が、ラルフがイメージするアメリカンラグジュアリーを表現しています。

出典『THOMAS O’BRIEN  LIBRARY HOUSE』
Thomas O’Brien & Lisa Light共著  


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