MUNI 投稿記事一覧
MUNI南青山本店 定休日変更のお知らせ
2023年11月19日
news letter vol.47 : 安全、安心へのメッセージはNew Yorkから始まった。
2023年11月2日
MUNIでは、月に1度メールマガジンをお届けしています。
その内容をこちらでも紹介させていただきます。
過去のアーカイブはこちらから
2007年5月、ニューヨークにてインテリア展示会:ICFF (International Contemporary Furniture Fair)が開催され、私どもMUNI CARPETSも出展をいたしました。
普段日本でお客様にお伝えしているのと同じように、「MUNIのカーペットは、化学物質を一切使わず、植物染料だけで制作しています」という私どものものづくりのご説明をしたところ、 ICFFの来場者の方々から、意外なほどの驚きと賞賛を頂きました。
私どもとしては、特別なことをしているという自覚はなく、ただただ「美しいものを作りたい」という一心で制作をしていただけに、皆さまからのあまりの反応にかえって困惑したほどです。
そもそも現代の繊維製品は、化学繊維でも天然繊維であっても、制作の過程で様々な薬品が使用されています。
そのなかでも特に体に害をおよぼすと言われている水素イオン、ホルムアルデヒド、ヒ素・水銀・ニッケルなどの重金属類、残留農薬、塩素化フェノール、有機すず化合物など、国際的に使用が禁じられている薬品が使われることもあり、国により基準もまちまちです。
国別 有害物質規制比較 (リンク:エコテックスHP)
そのような理由から、空気中に舞うホコリの90%を占める繊維ホコリ=呼吸とともに口や鼻から体内に吸い込むもの、という認識が浸透している欧米においてはかなり以前から繊維製品の安全性への関心が高いのだということを、2007年当時のニューヨークで学ばせて頂きました。
MUNIが「美」をもとめて追求してきたものづくりは、ニューヨークでの展示会を機に、安全、安心へのメッセージ性を持った使命を負うことなったのです。
その年、MUNI CARPETSは、ニューヨークでの学びを活かし、繊維製品の安全性において世界で最も権威のある認証機関「エコテックス規格100」の認証検査を受け、ウールカーペットの分野において世界で初めて”CLASS 1”を取得しました。
「エコテックス規格100」とは、繊維製品における安全性を、100を超える試験によって検査する世界で最も厳しい国際規格です。
人の健康を損なう有害物質を含んでいないことを保証するものであり、そのなかでも、”CLASS 1”は、「乳幼児が口に入れても安全」という、最も厳しい基準を満たすクラス(分類)です。
以降、私どもは毎年認証検査を受け、”CLASS 1”の認証を取得し続けています。
(リンク:エコテックスHP- 認証製品紹介ページ)
「自然由来だから安全です」という漠然としたメッセージではなく、洗剤、染料、媒染剤そして最終製品に至るまで検査してデータを提出し、安全性を証明することが、私ども自身が安全を可視化することでもあり、またMUNI CARPETSをお使いくださるお客様への信頼につながるものであると考えています。
そしてそれは、排水や労働環境などを含めた工房の生産体制、人と環境に対しての配慮などへの取り組みの証ともなります。
私どもが毎年認証検査を受け続ける理由、それは上述の、ニューヨークでの学びに端を発します。
私どもMUNIは、繊維を扱う企業のミッションとして、身の回りの繊維製品が体に与える影響、そして、素材や制作プロセスの重要性を、日本の皆さまに発信し続けてまいります。
* * *
ご納品事例 Life with MUNI❝北欧ヴィンテージとMUNIが奏でる心地よさ❞
2023年11月2日
引越間もないH様邸に納品に伺ったのは、風が爽やかな初夏の日のこと。
そのときはまだ家具は全部揃っておらず、インテリアの完成はこれから。
しばらく経ち、楽しみにしていたお写真がついに届きました!
家具のほとんどがヴィンテージの北欧家具で、温かみのあるチークなど上質な素材が映えるリビングダイニング。
お仕事用のワークスペースも一緒に設けられているので、そこで長く過ごされる分、
「居心地の良さ」を第一にひとつひとつを丁寧に選ばれてきたことが伝わってきます。
その場の中央にしつらえてくださった、ベージュ地の蓮文様のカーペット。
20年ほど前、はじめてMUNIに出会ったときのデザインだそうで、以来この一枚を思い続け、今回お迎えくださいました。
ナチュラルな色みの空間に、濃紺の蓮の花文様が甘さを抑えながらも華やかな雰囲気です。
しなやかなフレームが美しいソファはデンマークのデザイナー・Erik Wortsのもの。
ラグとの相性でファブリックの色を最後まで悩まれていましたが、落ち着いたグレイになりました。
そこにアクセントで置かれたR&D.M.Co-のブルーウィロウ柄のクッションと、
YAECAでお求めになられたという与那国島のクバの団扇が
シックななかに程よく力の抜けたアクセントとなっていて、H様らしいお人柄が感じられ嬉しくなります。
秋の淡い陽射しの中、午後から夜にかけての移り変わりを詩的に切り取った写真の数々は
まるで映画のワンシーンのよう。
H様はもともと映画がお好きだそうで、「素人なりに映画っぽく撮影してみました」とのこと。
じっと眺めていたら、画面の端から人物が現れて物語が始まりそう!
先日お店にもお越しになり、
「部屋でカーペットを眺めるたびに本当にいいものだな、と…情熱をかけられて作られた物の凄みを感じます」
と半年使ってみての感想も教えてくださいました。
H様、改めて本当にありがとうございました。
こうしてMUNIのカーペットを大切に思っていただける方に出会えたこと、とても幸福に思います。
これからもMUNIのある暮らしをお楽しみいただけましたら幸いです。
秋のクッションフェア”Enjoy Cushions!”開催中
2023年10月5日
本日よりMUNI倉敷本社店・南青山本店にて始まりました
”秋のクッションフェア”
Enjoy Cushions !
実りの秋にふさわしい、カラフルなクッションたちが沢山入荷してまいりました。
天然染料の優しい色合い
コロンと丸みを帯びたフォルムは愛らしく、インテリアのアクセントに唯一無二の存在感を放ちます。
一個、二個と集めたくなるMUNIの人気アイテムです。
心地よい秋風を感じながら、ぜひこの機会に、倉敷本社店・南青山本店にお越しください。
ご来店心よりお待ちしております。
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秋のクッションフェア ”Enjoy Cushions!”
会期: 2023年10月5日(木)-16(月)
場所: MUNI倉敷本社店、南青山本店
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商品については、各店へお問い合わせください。
秋の催事のご案内
2023年9月23日
この度、インテリアショップ「Fabrica-kyoto」の松井久徳様の企画にて、京都での初めての展示販売会に参加させていただきます。
松井さんは京都で30年インテリアのお仕事をされ、独特の感性と審美眼をお持ちの方です。
そんな松井さんが、築100年を超える国の登録有形文化財にも指定される「しまだいギャラリー」にて、比類なき洗練をテーマに、イタリアの名門家具ブランド「ポルトローナ・フラウ」またイタリアの高級ファブリックブランド「ロロ・ピアーナ・インテリア」とともにMUNI CARPETSをミックスし、とびきりラグジュアリーな空間を演出します。
他では決して叶うことがない美の共演をぜひお楽しみください。
ご来場心よりお待ちしております。
と き : 2023年10月7日(土) - 9日(月・祝)
10:00~19:00(9日は入場16:00迄)
ところ : しまだいギャラリー
京都市中京区御池通東洞院西北角 >MAP
075-221-5007
【リンク】
しまだいギャラリー:shimadai-gallery.com
イベント問い合わせ先: 株式会社ファブリカ
TEL: 075-257-3766
URL: fabrica-kyoto.com
ロロ・ピアーナ・インテリア:www.loropiana.com/interiors/?lang=ja
ポルトローナ・フラウ:https://www.poltronafrau.com/ww/ja.html
news letter vol.46 : インテリアデザインは、カーペットを決めることから始まる
2023年9月1日
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Lisa Light『THOMAS O’BRIEN_LIBRARY HOUSE』(ABRAMS)
Thomas O’Brienのことばに見る
ニューヨークを拠点に活躍し、かつてジョルジオ・アルマーニやラルフ・ローレンのフラッグシップショップなどのインテリアデザインを手がけ、自身のインテリアブランドも展開するトーマス ・オブライエン(Thomas O’Brien)。
彼のデザインはニューヨーカーらしい、重厚さと、モダンクラシカルな、様式にとらわれない「エクレクティック」で表現されています。
その彼が、
「インテリアデザインを進めていく際、 まずカーペットを決めることから始める」
と言っています。
それだけ、床面に敷くカーぺットが視覚的・感覚的にひとに与える印象を方向づけるからでしょう。
TOPの画像の部屋に使われているクラシカル・チャイニーズ・ラグは、たっぷりとした余白に中国の伝統的な龍の意匠があしらわれ、ボーダー(縁取り)にはシンプルな万字繋ぎ文様がデザインされた、モダンなオリエンタリズムを放っています。
そこに、18世紀のロココ調の椅子や、1920年代のスウェーデン製のクラシックなキャビネットをミックスし、モダンかつシックにまとめあげています。
モードの世界にも精通したオブライエンならではの軽快なカッコ良さが魅力のコーディネートです。
カーペットが、その人らしい空間の方向性を決める
日本では、インテリアデザインを進めていく際、カーペットから決めていくというのはあまり耳にしたことがなく、家具が揃ってから、もしくは家具の目星がついてから、ではカーペットはどうするか?というケースが一般的です。
しかしながら、インテリアデザインの方向性を考えるとき、 上述のThomas O’Brienのことばのように、『まずカーペットから』決めていくことで、必然的に、その空間を「どのようにしたいのか?」「自分らしい空間はどんな方向性か?」を考えていくことになります。
カーペット一枚でこんなに変わる!
百聞は一見にしかず。同じ空間でも、カーペットでどれくらい素敵に変わるのか?を、いくつかデザインを変えたシーンでご覧いただきましょう。
1枚目にご覧頂くのは、明代の陶磁器をイメージした、優美なブルー&ホワイト。
明るさと引き締めのバランスが絶妙であり、なだらかな曲線が空間をエレガントで静謐なイメージにしています。
2枚目は、ブルー&ベージュの色使いで、たっぷりとした面積のベージュカラーが空間に穏やかな上品さを生んでいます。幾何学文のボーダー(縁取り)がきりっと空間を引き締め、クールでモダンなイメージにしています。
そして3枚目。天然藍の深いマリンブルーが美しい幾何学文様がモダンなこちらのカーペットは、空間全体にモダンな落ち着きを与えています。
いかがでしょうか?
全く同じ空間なのに、カーペット一枚で印象ががらりと変わり、彩を添え、空間をまとめ、そして寛ぎのスペースが広がります。カーペットのパワーを感じて頂けたのではないかと思います。
是非皆さまも、そんな “カーペットマジック” を体感されてみてはいかでしょうか。
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news letter vol.45 : アイデンティティとしての日本の家紋
2023年8月2日
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世界に誇るデザインとしての家紋
前職のとき、東南アジアの政府高官の方に、
「Would you do me a favor? (お願いがあるのですが)」
と声掛けされたことがありました。
一体どんなお願いをされるのかと思いましたら、
「大きな本屋に連れて行って欲しい」と仰るのです。
お嬢様がデザインの勉強をしているので、日本の家紋(family crests/family emblems)の本をお土産に買いたいのだと。日本の家紋は、世界に誇るべき素晴らしいデザインだ、とも。
フランスのラグジュアリーブランド、ルイ・ヴィトンのモノグラムデザインは日本の家紋がルーツになっているというのは有名なお話ですね。
それ以来、私はすっかり奥深き家紋の世界の虜になりました。
(画像:ルイ・ヴィトン社カタログ)
Identity (アイデンティティ) としての家紋
西洋における紋章は王族や貴族など、地位の高いひとだけが所有を許されるものですが、日本で平安時代末期に貴族・武士から興った家紋は、江戸時代になると庶民にも広まります。
江戸時代末まで庶民に許されなかった苗字とは違い、シンボルマークとしての家紋は庶民にも許されていたのです。
塗り物の膳や椀、提灯やつづらなどの日用用具にも各々の家紋をあしらい、一族結束の象徴(シンボル)、家族・同族のアイデンティティを表すものでした。
家紋のモチーフは、「植物紋」「動物紋」「自然現象紋」「建造物紋」「器物紋」「文様・図象紋」「文字・図案紋」」に大別され、バリエーションは2万とも2万5千にのぼるとも言われます。
現代の日本では、家紋は正装の紋付や墓石にしか見られなくなり、実際、ご自身の家紋を把握していない方も相当数いらっしゃいます。いえ、ご存知ない方のほうが多いかも知れません。
MUNIスタッフにアンケートを取ってみましたところ、知っている人、知らない人、親御さんに訊いて判った人の割合がそれぞれ同じくらいでした。
折角なのでMUNIスタッフの家紋を下記に集合させてみました。
それぞれの詳細は割愛させていただきますが、家紋を見ればその家系の出身地域やルーツがおおよそ判ると言われ、5つのサンプリングだけでもバラエティに富みます。
個人的な話で恐縮ですが、結婚したとき、嫁ぎ先の紋を着物に入れたいと思い、夫に家紋を訊いたのですが判らず。さらに義理の母に訊いても、、判らず。
当時100歳近かった義理の祖母に訊いてようやく家紋が判りました。
ようやく判った紋は、「四方木瓜に違い鷹の羽(しほうもっこうにちがいたかのは)」という紋(下記左)。
その紋を目にし、とても嬉しかったのを記憶しています。
実家の紋である「丸に違い鷹の羽」(下記右)を内包しているよう見えたからです。
長年育った実家を全く離れたわけではないような感覚を覚えました。
嬉しくて、いろんな着物に、染めで、縫いで、紋を入れたのは言うまでもありません(笑)。
私は関東(東日本)の出身ですが、関西を中心とする西日本では、女性は「女紋」と言って父方の紋ではなく、母方の紋を嫁ぎ先に持っていく風習があるようですね。西日本でもその風習がある地域とない地域があります。祖母→母→娘へと女性に伝わる紋が存在するというのも興味深い点です。
MUNIのカーペットの文様が、単なるデザインではなくひとつひとつ意味を持つのと同様、日本の家紋も単なるデザインにとどまらず、一族(Family)のアイデンティティを持っています。
もし、ご自身の家紋をご存知ない方がいらっしゃいましたら、帰省の折、また墓参などの折に確認されてみてはいかがでしょうか?ご自身や、一族のルーツを知るきかっけになるかも知れません。
大人の夏休み自由研究のススメ、でした。
今号も最後までお読み頂き、ありがとうございました。
どうぞ素敵な夏をお過ごしくださいませ。
(参考文献)
『日本の家紋大全』 本田總一郎監修 梧桐書院発行
『家紋 知れば知るほど』 丹羽基二監修 実業之日本社発行
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ご納品事例 Life with MUNI “モダンシックなリビングに”
2023年7月29日
青山散歩の道すがら、よくお顔を見せてくださるF様。
ご紹介くださったY様納品の帰り道
幸運にもご自宅にお誘いいただき、数年前にお求めのカーペットとも久しぶりの再会を果たしました。
既にアンティークのような輝きを放つゴールドのカーペットは、
龍々(ロンロン:龍を抽象化した文様)に唐草が絡みついた、清朝雍正帝スタイルの一枚。
明代のクラシックな意匠をエレガントに昇華させた18世紀のデザインです。
カーペットに合わせた格子が素敵なテーブルは、
F様が以前マンダリンオリエンタルホテルで見たものにインスパイアされ特注したもの。
龍々とテーブルの脚がリンクし、非常にマッチしていました。
モダンシックな空間に、ポイントで好きなアジアンテイストを取り入れるのがF様流のインテリアの楽しみかた。
理想は、中国美術がひとつの到達点を迎えた宋代のころの雰囲気、と微笑まれたお顔がまぶしく印象に残っています。
「好き」を愉しまれるお姿はとても素敵ですし、私自身励まされ、元気をいただきました。
F様、本当にありがとうございました。
次回は是非Y様と一緒にお店にお越し頂けましたら嬉しく思います。
ご納品事例 Life with MUNI “「好き」を追求したシノワズリ”
2023年7月27日
お子様の独立を機に、
ロッキングチェアの足下に敷くためのカーペットをご覧にお越しくださったY様。
インテリアのテイストは、シノワズリ。
お部屋の雰囲気を伺いながら、全体の色調に馴染みつつ、
往時のクラシカル・チャイニーズ・ラグを彷彿とさせるインぺリアルラインの一枚をお勧め。
明代らしいミニマルで力強い意匠をお気に召して下さり、ご決定となりました。
後日納品に伺ったところ、赤みのあるブラウンの床にカーペットの地色がよくマッチし、
さらに文様のブルーが、お店で見た時よりも鮮やかに映えて、大変素敵でした。
Y様にお話を伺うと、以前は違うテイストのお部屋にされたこともあったそうですが、
ご友人の影響もあってシノワズリに惹かれるようになり、
コツコツとご自身のお好きなものを集めていらしたそうです。
私自身、「インテリアを楽しむ」素晴らしさを、今回を通じて学ばせていただいたような気がします。
Y様、このたびは誠にありがとうございました。
是非MUNIのある暮らしをお楽しみいただけましたら幸いです。
またいつでも、お店に遊びにいらしてください。
MUNIの玄関敷きフェアの御礼
2023年7月22日