MUNI CARPETS

インペリアルライン7

2010年7月22日

17世紀康熙帝様式の草龍文の作品です。
康熙帝様式の特徴であるしっかりとした万字繋ぎのボーダーに
ゴールドのフィールドにシンプルなミッドナイトブルー単色の
草龍文。
康熙帝時代の草龍文は力強くグラマラスです。

今回はシンプルにして難易度の高いこの作品に挑戦しました。
下絵、染め、織りの三拍子揃って初めて完成するこの作品。
最後は使う人との時ともに成熟して行くことを願って…。

今回でインペリアルライン新作のご紹介は終わりです。
またいつになるかはわかりませんが、作品が揃いましたら
展覧会をしようと思います。

Imperial7.JPG

posted by MUNI |

インペリアルライン6

2010年7月22日

蓮唐草の意匠の作品です。
こちらは宮廷用のたぶん6x8mはあろうかと思われる
ビッグサイズのフラッグメントを再現しました。
ですのでカーペットそのもののサイズからすれば
かなり文様が大きいのですが、逆に大胆なモダンさが
現れました。
意匠はやはりエレガントな18世紀の雍正様式です。

Imperial6.jpg

posted by MUNI |

インペリアルライン5

2010年7月19日

麒麟、鶴、鹿、鳳凰、など霊獣が一同に描かれた、
たいへんおめでたい意匠の作品です。

18世紀乾隆帝時代の意匠で具象的ですがグロテスク
ではなく素朴さのある表現ですが、ブルーアンド
ゴールドの配色でより宮廷用らしい気品が感じら
れます。

imperial5.jpg

posted by MUNI |

インペリアルライン4

2010年7月17日

今日は京都祇園祭の山鉾巡航です。
久々にお天気に恵まれ、山鉾の美しい装飾品もビニールカバーなしで堪能できたのではないでしょうか。

祇園祭の装飾品といえば中国、ペルシャ、インド、の絨毯が有名です。
室町時代から江戸初期に伝わったこれらの絨毯の中には、現在、世界でも唯一、京都のみに残っている珍しいものがあります。これはこの祭りとともに、これらの品々も大切に守ってきた京都の町衆の心あってこそのものだと思います。本当に感動します。

今日は、祇園祭の山鉾に飾られている中国の玉取り獅子の絨毯の原型になるものをご紹介します。インペリアルラインとして昨年制作いたしました。明の宮廷ではこの玉取り獅子の意匠がとても好まれて用いられていました。

No. 081

posted by MUNI |

インペリアルライン3

2010年7月16日

雲鶴文という慶びの兆しに現れるという瑞雲の間を飛翔する鶴の文様です。

クラシカル・チャイニーズ・ラグの中でも雲鶴文はよく用いられていました。

この雲鶴文は17世紀、清朝、康熙帝(1662~1722)様式の意匠です。19世紀以降の写実的表現に対し、この時代のものは出来るだけ
単純な線で図案化されたものです。

このユーモラスでモダンさも兼ね備えた当時の文様こそがチャイニーズ・ラグの真骨頂だと思います。

No. 116

posted by MUNI |

インペリアルライン2

2010年7月15日

 牡丹唐草のボーダーに幾何学文様の作品です。
このたび再現したこちらの作品は清朝・雍正様式(雍正帝1723~1735)といわれ前作より繊細なラインをもつ唐草でボーダーを表現しています。
そして、フィールドの幾何学文様は古代ローマのモザイクの
幾何学文様です。
雍正様式のクラシカル・チャイニーズ・ラグにはこのような
立体表現の古代ローマのモザイク文様が用いられている例が他にも見られます。
この時代には、イタリアからの宣教師や宮廷画家などからヨーロッパ文化の影響を受けた美術品が作られるようになりました。
洗練された東洋の牡丹唐草と西洋の力強い立体的幾何学文様の
コントラストが生み出す不思議な感覚がこの作品の魅力となって
います。
この絨毯がかつて宮廷のどの部屋で使われていたか思いを
巡らせてみるのも楽しいですね。

imperial2.jpg

posted by MUNI |

インペリアルライン1

2010年7月14日

おかげさまで12日をもちまして青山ギャラリーでのインペリアルライン新作展が終了いたしました。広島ギャラリーから始まった展示会、本当に多くの方にご来店頂きまして心から感謝いたします。改めまして、本展示会の作品のご紹介をさせて頂こうと思います。
このたびの作品中最も大きな作品です。
183x274cm 畳約三帖の大きさです。
明末期16世紀意匠を再現いたしました。
四本のボーダーに囲まれた蓮唐草のフィールドの中心に鳳凰をあしらった意匠です。明王朝らしいおおらかな意匠と、洗練されたテクニックや配色によるゴージャスさは、古の工人達の高い美意識によって計算されつくされ創り出されたものということが再現をして改めて思い知らされた一枚となりました。

No. 120 300

posted by MUNI |

楊貴妃

2010年7月7日

『そうだ、漢詩でも読んでみよう』と思い立ち、
とても簡単な入門編を手に入れてみました。

唐の時代の白居易によって読まれたこの長くて美しい漢詩には、
玄宗皇帝と楊貴妃の物語が詠われています。

その中の1文。
仙女となった楊貴妃が、彼女の魂を探して皇帝に使わされた
道士に託した言葉がありました。
玄宗皇帝と楊貴妃だけしか知らない誓いの言葉です。

七月七日長生殿
夜半無人私語時
在天願作比翼鳥
在地願為連理枝

ちょうど、七夕なので、そういった意味もあっての七月七日長生殿~なのかな、なんて思いながら、、、。
哀しいけれどとても美しい詩です。

漢詩というものは、見ているだけでも、美しいものですね。
規律があって、限られた文字数の中でどれだけの想いを表現するのか。
一行、一行が完成されていて、学生さんの時には全く気づかなかった美しさがあります。

写真のカーペットは、牡丹の文様です。
楊貴妃はその美しさを、李白に『牡丹の花』と喩えられていたのです。

牡丹文氈

posted by MUNI |

カーペットを鑑賞する一日

2010年7月1日

いよいよ明日から、青山店でインペリアルライン新作展が
始まります。

歳月をかけて丁寧に作り上げられた作品には、
愛らしく笑いを誘う作品もみられます。
どうしてこういう意匠が織られたのかと思いながら、
見るたびに心が和みます。

この週末、「カーペットを鑑賞する一日」はいかがでしょうか。

MUNI 南青山本店
7月2日(金)~12日(月)
11:00~19:00

Imperial 2010 1.jpg

posted by MUNI |

招福の美

2010年6月26日

京都のハイアットリージェンシーのショップでこんな本と出合いました。
鳳凰に松、竹、梅、蝙蝠、宝尽くし…。
福を招く吉祥の文様を日本の美の中でわかりやすく説明しいています。
中国で生まれた吉祥文様はわれわれ日本人の心の奥底にまで
浸み込んでいることをつくづく感じました。
今で言うポジティブシンキングのきっかけとなる文様を
生活のあらゆる場面にちりばめて、ふとした時に、
「ネガティブはだめよ!」と気づかせてくれるものが
文様なんですね。

青幻舎刊 狩野博幸著

招福の美

posted by MUNI |

ARCHIVE