一周年記念イベント
2013年11月15日
11月10日でMUNI cushions 自由が丘がおかげさまで、
一周年を迎えました。
沢山のお客様に支えられてこの日を迎えることが出来ました。
改めまして感謝申し上げます。チェアラグ&クッションの専門店としてオープンして当分、
MUNIをご存じないお客様でチェアラグを初めてご覧になった方は、「これって何に使うの?」「サンプルなの? これから選んで大きいサイズを作るの?」というご質問など等。
そうか! やはりMUNI CARPETSを知って頂かないと、
このチェアラグの意味をわかって頂けない。
そこで少しですが、
お玄関用等のスモールカーペットを展示し、
ようやくCARPETで作られた椅子敷きということをご理解頂けるようになりました。この度の一周年の記念イベントでは、
MUNIというブランドの仕事をより深く知って頂けますよう、私がカーペットを始めるきっかけとなったアンティークラグ(初めて倉敷から離れます)と青山店に展示しているクラシカル・チャイニーズ・ラグをMUNI cushions自由が丘に展示しております。
また青山店では連動して、普段はご覧頂けないMUNI のクラシカル・チャイニーズ・ラグ・コレクションとその作品を基に制作したMUNI CARPETS インペリアルラインを同時に展示しております。
普段MUNI CARPETSをお使いのお客様、また、初めてのお客様にも楽しんで頂けるイベントになりました。
少し寒さが増してまいりましたが、ぜひお立ちより頂けましたら幸いです。
藍葉の収穫
2013年11月10日
今日パートナーのビル・チャンから写真が届きました。
中国西北部、寧夏での羊毛の選別の次は、
中国南部、貴州省に飛び藍の仕込みの確認です。
毎年彼は必ずこの作業を自分自身で行います。
MUNI CARPETSのクオリティーは、
これなくしてはあり得ないと言っても過言ではありません。
少し前に藍の発酵のことをお伝えしましたが、今回はその前の段階の自然の藍の葉を染料にするプロセスです。
藍の種類も色々ありますが、MUNIで用いる藍の葉はキツネノマゴ科の馬藍(マーラン)、板藍(バンラン)と呼ばれる藍(漢方薬として用いられています)で、提携している農家で栽培してもらっています。
毎年花が咲く前に刈り取り、
その場で水槽に入れ水を浸し撹拌します。
刈り取りのタイミングがとても大切で、開花直前が藍の成分がマックスになるそうです。
数日後、藍のインディゴ成分が溶け出し、泥のようになりこれを泥藍と呼びます。またこの泥藍を水槽から取り出すタイミングがとても難しく、インディゴ成分の不足や、雑菌が繁殖し異常発酵を起すと使い物になりません。
この泥藍の出来の良し悪しで染め上がりの色が全く違います。
慎重に容器に詰められた泥藍は、
汽車で遥か何千キロも離れた甘粛省のMUNI CARPETSの工房「漢氈居」へ送り届けられます。
Tiffany studio 研究の始まり
2013年10月28日
The Tiffany Studios Collection of
Notable Oriental Rugs 1906年The Tiffany Studios Collection of
Antique Chinese Rugs 1908年今から100年以上前にティファニー・スタジオから出版された、チャイニーズ・ラグの研究書です。
チャイニーズ・ラグの研究書としては最も早期のものの一つです。
なぜティファニーが?と思い、調べてみるとティファニー・スタジオとは、あのTiffany &Coの創始者の長男、宝飾デザイナーでありアート・ディレクターのルイス・カムフォート・ティファニー(1848年〜1933年 日本ではステンドグラスやのランプが有名で、かつて松江ルイス・カムフォート・ティファニー庭園美術館がありました。)が起したインテリアデザイン・装飾品の会社だったのです。
宝石商Tiffany &Coの前身は文具品や高級装飾品を扱う会社で、その中に中国の美術品も含まれており、自ずとティファニー自身、東洋美術への関心が向けられ、いち早くラグに注目したのではないかと思います。ティファニーの後に、数々の専門書が出版されてきましたが、実はいまだにこの本がベースになっているところが多々あります。
なぜならちょうどその時期は、清王朝が傾き多くの美術工芸品が流出した時期に当たりクラシカル・チャイニーズ・ラグの名品も海を渡りました。現在ティファニー・コレクションの中に登場する数点は、幾度か所有者がかわりNY メトロポリタン美術館のコレクションになっています。
このように先人たちの研究や、ラグを愛で大切に受け継いで来た人がいたからこそ、また次の世代に伝えてゆくことが出来るのですね。
私たちも微力ですがその一端を少しでも担えたらと思っています。
藍の香り
2013年10月24日
藍の香りをご存知でしょうか?
すでに藍色のMUNI CARPETSをお使いのお客様にはおわかり頂いていると思いますが、もしどんな香りかなと思われたら、ちょっと匂いをかいでみて下さい。
何か独特の発酵物のような香りがすると思います。
臭いか、香しいかは個人の主観によると思いますが、本藍染めという染色法は、
藍という植物を発酵させて染色します。
チーズ、納豆、みそ、などと同じですね。
今の化学染料に慣れている方は発酵物で染色するということ自体イメージが無いかと思います。
天然染料を用いて染色する全ての色の中、唯一発酵物で染色するのが藍なのです。
発酵させるということは、微生物を利用して染色液をつくるわけですが、自然の変化をコントロールするとても難しく、骨の折れる仕事です。
染織家志村ふくみさん(人間国宝)が先日NHKプロフェッショナルの中で、「藍染めから始まり藍染めで終わると言われるくらい藍染めは難しく、未だに極めることが出来ない。」と言うようなことを仰っていました。カーペットに染色された藍、その後ずっと生き続けます。
カーペットの成長と共に藍の色も育ってゆきます。
その匂いもいつしか香しいものに。
団花文(だんかもん)
2013年10月21日
只今、青山店では団花文を用いた作品をディスプレイしております。
花などの意匠を丸くデザインした文様を
中国では団花文と呼びます。
左は龍団花文、右の二点は蓮団花文、下中央は龍団花文です。団花文は古くは奈良時代に大陸から伝わり、平安時代には有職文(ゆうそくもん)と言われる、朝廷の儀式や行事に関わる学識、技芸の優れた人々が用いた織物の文様の中にも丸文が使われていました。
どこか、日本的に感じられるのもそのような歴史があり、
何となく見覚えがあるからではないでしょうか。MUNIの丸文様は中国明代の団花文を長年にわたり、
リデザインを繰り返しながら現しています。
なぜなら、その時に、「美しいと」感じたものが
変化してくるからです。
なので、同じデザインの作品でも制作した時期で受ける感じが少しずつ違います。この度改めて、このように団花文様だけを並べてみると
東洋的な調和のイメージが一層広がりました。
ディスプレイによっても響きあいが変わりますので、
お近くにお越しの際はご覧になってみて下さい。
生成りのクッション
2013年10月16日
生成りのクッションのオーダーを承りました。
とても可愛く品よく仕立て上がりました。お求めくださいました方も、リボンがかかったその姿を見て、「カワイイ!!」と。
本当に本当に、愛おしくなるくらい、離したくなくなるくらい、可愛いのです。
見せ方によっては、とてもシックにうつります。3つ前にウールの選別の話がありますが、読まれましたでしょうか。
このクッションは、その選別後、染めることなく生成りのままのウールを紡ぎ織り上げたチェアラグからお仕立てしたものです。
最高の素材だからこその美しくかわいらしい表情のクッションは、使い込む程に柔らかい光沢をまとい、最初のフワフワから、年月と共に滑らかな美しさを生み出してゆきます。
ウール「そのまま」の上質さと可愛さ、そして深みを持つこのクッションで、今日も忙しいお仕事のあと、優しいひと時をお過ごしの事でしょう。
古びたラグの良さ
2013年10月13日
私はアンティーク・ラグからラグの世界にのめり込みました。
家具、器、建物、そしてデニム。
古いからいいのではなく、使い込んだ味、雰囲気が好きです。
倉敷で生まれ育ったということがその源なのかもしれません。
小学校の頃、おろし立ての白い運動靴がいやで、わざと砂をかけて汚したり。
逆にピカピカしたものが少し苦手で、これも倉敷のせいですね。そんな私が1987年にアンティークのチャイニーズ・ラグに出会いました。
それまで古いラグがカッコイイとか美しいというような意識はまったくありませんでした。
ラグに味が出るってどういうこと?
本当にそのラグのツヤやこなれた感じが美しいと心から思いました。私が絨毯を作る上で、一番の狙いはそこなんです。
50年、100年使い込んだ時の美しさなんです。
気の長い話ですが、初めて出会った絨毯の美しさを蘇らせたかったのです。
MUNI collection
2013年10月11日
青山のお店のディスプレイ替えをしました。
デスクの後ろには額装したクラシカル・チャイニーズ・ラグを飾りました。
青山にMUNIをオープンして13年間ずっと我々を見守ってくれている存在です。
お店にお越し頂いた方はご覧下さっているかもしれませんね。このラグは1990年に北京のラグコレクターから譲ってもらったもの。
18世紀初めに作られたこのラグは萬字文様のボーダーに、フィールドは雲を格子にした如意文様でその中には桃、コウモリが配されています。
このパターンはクラシカル・チャイニーズ・ラグの中でも代表的存在で、メトロポリタン美術館にも所蔵されているファン垂涎のラグです。
同じ頃、ふと入った北京のペニンシュラホテルのCHANELブティックのテーブルに広げられた「CHANEL」という本の中にココ・シャネル自身の部屋の写真が載っていました。そこにはCHANELのイメージ広告にたびたび登場するコロマンデル屏風(中国明清代の漆塗りの屏風)と床には正にこのクラシカル・チャイニーズ・ラグが敷かれていました。
1900年代初頭、既に彼女がコレクションしていたと思うと、さすがとしか言いようがありません。
ベージュを基調とした室内に、シノワズリーを取り入れたエクレクティク(折衷)スタイルの彼女の部屋は現代のインテリアの先駆けであったとこの本に記されていました。
ファションだけではなくインテリアの世界においてもリーダー的な存在だったそうです。
クラシカル・チャイニーズ・ラグ。
日本ではあまり知られていない世界。
MUNIではもっともっとこの素晴らしい世界を知って頂きたいと思っています。
ぜひ皆様方にご覧頂き、当時の職人たちの素晴らしさに直に触れて頂きたいと思っています。
カーペットが初めての方でもどうぞお気軽にご来店ください。
お待ちしております!
WOOL(羊毛)
2013年10月10日
MUNIクッション “Hundred antiques”series
2013年10月10日
朝夕は過ごしやすく、家でゆっくりもいい季節です。
今日は、青山店に入ってきたクッションのご紹介です。博古文シリーズの一つ“銅鑼”をデザインしたクッションです。
仏教音楽・声明や、歌舞伎などで用いられる楽器です。
おなかに響くゴ~ンという音を聞くと、なぜか安心します。
そういえば、18代目中村勘三郎さんは、銅鑼を鳴らして
自分の帰宅を告げていたそうです。このほかに、酒器、花器、筆立てなど愛嬌のあるデザインが
そろっています。
飾る場所に応じて、モチーフを選ぶのも楽しいですね。
色は、ベージュとブルーの2種類ご用意しています。ご来店の際には、手に取ってご覧ください。
お待ちしております。Design No.073A-8
Size 35x35cm
Price40,950円