生成りと藍とエレガンス
2016年8月28日
中国の古い陶磁器の本をめくりながら、ふと「焼き物を並べてみよう」と思いたつ。
精製されすぎていない地肌の白と、そこに染めこまれた藍色から感じる、穏やかな気品。
中国明代の焼き物から、有田焼へとその姿を昇華させ、そしてまたマイセンが生まれる。全く違うようで、道はつながり時を超え文化を超えて、根底にあるのは、「美しいもの」への憧憬。
カーペットも東洋西洋と世界をめぐり、ここMUNIでまた美しく花開きます。
生成りと藍の美しさ。
永遠のエレガンスをもって、常に新しく美しくあるもの。
時に懐かしさにも似た憧れを感じながら愉しむひとときを、是非その手元で感じてください。MUNI Art book Fair
8月31日まで
Open 10:00 – 18:00/Close:30日
ルイス・C・ティファニー。
2016年8月26日
かのチャールズ・ルイス・ティファニー(TIFFANY&Co.の創業者)の長男であり、1900年代ニューヨークのオークションでいち早くクラシカル・チャイニーズ・ラグの価値を見出し
その芸術作品を集め、研究し、後世に遺した偉大な人物です。彼自身の類稀なる美感覚と
幼少期から培われた鑑賞眼は
ティファニースタジオが残した作品にももちろん
惜しみなく注がれています。今は作品を目にできる場がなく、とても残念です。
プリズムを集めたような色彩溢れるステンドグラスや
魅惑的なアールヌーボーのティファニー・ランプ、
その美しき世界をぜひ書物の中で堪能してください。ご来店の難しい方も、
ティファニーがクラシカル・チャイニーズ・ラグにおいて遺した功績をこちらのMUNI Columnでどうぞご覧ください。
▸ MUNI Column vol.6
アール・ヌーヴォーとルイス・C・ティファニーの世界
日本美術へのオマージュ
道具との付き合い方
2016年8月24日
“よいものと暮らすこと”
“長く大切にできるものを選ぶこと”
MUNIにお越し下さるお客様は
そんな風に仰り、カーペットをご覧くださいます。
素敵なお客様に出会う度、道具の面白みは
使い込み育ててこそ楽しめるもの、と
教えていただいています。写真の椅子の名前は“スパニッシュチェア”
1959年、デンマークのモーエンセンによるもの。ハンモックの様に革が体を支える
なんとも言えない座り心地を、倉敷店でご体感いただけます。ふんだんに使われた革、
無骨なほどの木の骨組みから成るこの椅子も
ともに過ごす時の経過によって、
革の色やなめされた質感、木肌の滑らかさや飴色に変わる様子…数え切れぬ変化をまとって
世界のどこにもない面白みを育ててゆくのでしょう。光を受けて表情を変えるカーペットの藍色を見つめながら、
こちらもまた、藍の呼吸によって色を深く変え、
ウールがいっそう滑らかに輝きを増すときを想像します。一緒に年を重ねる道具をもつこと、
とても大人な楽しみに
つい早く時が流れないかと気持ちがはやります。
MUNI Private Library
2016年8月20日
先日、呉市から素敵なご夫婦のお客様がお見え下さいました。
倉敷店ではArt bookフェアの為、店内
MUNIの蔵書が並んでいます。お二人ひたむきに
本の世界と向き合われるご様子と空間は
静かな中にも、
とても温かで親密な空気を紡がれているような、
素敵な趣が感じられました。古書がお好きで、中国文化にも造詣の深いご主人様。
ひと際熱心に読まれていたのは、
やはり中国文化にまつわる2冊でした。『天工開物』・・・4世紀前の中国、明王朝末期に宋王星によって書かれ、産業技術の百科事典ともいうことができ、日本語訳も出版されています。
『故宮蔵毯図点』・・・かの故宮、紫禁城に収蔵されるカーペットだけを集めた専門書。MUNIの原点であるクラシカル・チャイニーズ・ラグの洗練された様式を見つけていただけます。
MUNIの集めた今は希少な書物たち。
是非お好きな本をご覧に、MUNIプライベートライブラリーへお越しくださいませ。MUNI倉敷店限定フェア “MUNI Artbook展”
開催中~8月31日(水)まで
(定休日:火曜)
日本建築と段通の空間美
2016年8月19日
日本家屋に、美しい絨毯。
とても魅力的な設えです。日本の美意識も、古くは宋や明の時代からの多くの影響を受け、またそこから自国の美術品・芸術品へと姿を変えてゆきました。
日本の美意識の奥深くには、様々な文化を取り込み、洗練させてきた、美しき中国美術の世界があります。
余白の美・モノトーンの美・あらゆるものを取り込んで洗練させてゆく、奥深い美への探求心。
文様の為の文様ではなく、祈りが込められているからこその美しさと、その心の尊さ。シルクロードの終着点とされるここ日本は、西からの文化、すべてを洗練させたものかもしれません。
だからこそ、様々な国の美しいものが、無理なくともにあることが出来るのでしょう。
この写真のように、日本の空間には、中国の美術品もよく合います。
是非、このような設えもお楽しみくださいませ。
たなびく たなびく
2016年8月17日
「京都国立博物館蔵・前田家伝来・名物裂」より。
今の暮らしの中でも耳にする「瑞雲」という言葉。
五色の雲は、喜び・幸せを運ぶものとして、日本でも大切に伝えられてきました。
前田家伝来の名物裂の中に、この瑞雲のルーツとなる貴重な絹織物があります。この雲の文様は、明時代の中国において大切にされ、今なお感じるモダンさは色あせることなく生きています。
少し背筋が伸びるような心地よさと、その中に感じる穏やかな遊び心。
色を抑えたトーンの中に、凛とした爽やかささえも感じます。2つと同じ表情はない MUNI の CARPET と、
今となっては、手に取ることもままならない明時代の絹織物。
巡り合うこと自体が難しい、というかけがえのない価値を手にする喜び。たなびく雲に幸せを願い、遊び心と共に受け継がれてゆく文様。
心の赴くまま、手に取ってみてはいかがでしょう。美しい美術品やその意識は大陸を渡り、脈々と受け継がれ、今なお日本の暮らしの中に息づいています。
夏のひととき
2016年8月14日
朝の光の中
2016年8月13日
ジャン・コクトー
2016年8月11日
シャネルのよき理解者であり、友人であったコクトーは、劇作家・小説家・詩人、様々な顔を持つ天才ともいわれる人でした。
初めてコクトーのことを知ったのは、高校生のころ。
当時、なんとなく惹かれた写真に手をのばし、開いてみたのはボーモン夫人の書いた「美女と野獣」。
それは、モノトーンの写真がとても美しく、コクトーが映画化しようとしているところを写真でつづっている物でした。
時間を忘れ、しばらく引き込まれていたことを覚えています。コクトーは、シャネルやニジンスキーとも交流があり、当時の芸術家たちの交流がいかに豊かだったのかを後に知り、今また、シャネルが愛したクラシカル・チャイニーズ・ラグを、コクトーも共に目にしていたのだろうか、と思いをはせます。
現在、倉敷ギャラリーにあるシャネルの本の中で、コクトーも紹介されています。
是非、手に取って、カーペットの上でこの美しい時代を感じ取ってください。
倉敷店フェアのご案内
2016年8月8日
賑やかに過ぎる葉月、いかがお過ごしでしょうか。
この度、MUNI倉敷店では
倉敷店だけの、特別なフェアを開催いたします。いつもは書庫に納められているMUNIの蔵書を、
お手に取っていただける形で店内に設え
皆様をお迎えいたします。失われた文化、クラシカル・チャイニーズ・ラグの研究と探求において、欠くことのできない史書、そしてMUNI CARPETSの美意識の元に蒐集された貴重な美術書ばかりです。
どうぞ 倉敷の町、そしてMUNI CARPETSの上で
美と芸術に触れる豊かな時間をお楽しみくださいませ。皆様のご来店を心よりお待ち申し上げております。