MUNI CARPETS

news letter vol.48 : 中国美術で最も多く登場する神獣「龍 (Lóng)」

2023年12月1日


MUNIでは、月に1度メールマガジンをお届けしています。
その内容をこちらでも紹介させていただきます。
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Lisa Light『THOMAS O’BRIEN_LIBRARY HOUSE』(ABRAMS) 


 MUNI CARPETSのロゴマークにもなっている「龍」は、中国美術のなかでも、絵画、彫刻、陶器、布地そして絨毯に最も多く登場する神獣です。
中国を含む東洋の龍は、西洋のものがたりの中にみられる恐ろしい怪獣ではなく、権力と善の象徴です。

古代中国において水や気候を司り、とりわけ、雲と雨をもたらすとされた龍は、古代より干ばつや洪水をコントロールするとされていました。
“水の神”として生まれた龍は、長い歴史の中で人々の願いを力に変えて蓄え、最高位の神獣となり、現代においてもなお親しまれています。
中国の歴史の中で常に時代と人と共にあった龍。その変遷を、年代とともに辿ってみましょう。


中国の歴史と龍の変遷

龍モチーフの変遷イメージ「CHINESE CARPETS」by Charles I. Rostov & Jia Guanyan

▼ 商 (Shāng)(殷)
BC1600-BC1046年

(時代背景)
甲骨文字に「龍」を表す文字が刻まれる。
「龍」は、雨や水脈を司る“水の神”として生まれました。

甲骨文字に表された「龍」

▼ 周 (Zhou)~後漢 (Dōnghàn)  
BC1046-AD220年

(時代背景)
皇帝は龍によって生まれたとされる「皇帝龍生説」が起こり、武帝によりシルクロードの礎となる「絹馬貿易」が開かれる。

「龍」は、魂を天へと運ぶ護り神となりました。

龍をかたどった玉
(上海美術館蔵)
撮影:楠戸謙二

▼ 三国~六朝   
220-581年

(時代背景)
仏教と神仙思想が融合し、芸術が大きく発展。

「龍」は、仏教の絶大なる守護神となり、甘粛省敦煌の仏教遺跡・莫高窟の壁画にも描かれました。

敦煌莫高窟 第296窟 
東王公の雲車を引く龍

▼ 隋 (Suí) ~ 唐 (Táng)  
581-907年

(時代背景)
交易による国際色豊かな時代。

 「龍」は権力のシンボルとして皇帝の衣服を飾るようになりました。
また、民族の象徴として、人々の身近に存在しました。

唐朝の第2代皇帝太宗

▼ 宋 (Sòng)   
960-1279年

(時代背景)
中国の文化芸術は”簡素美”の頂点を迎え、汝窯(じょよう)・龍泉窯・磁州窯が名を連ねる。     

「龍」は皇帝の象徴となりますが、この時代は人々も身近に置くことが許されていました。 

白釉黒花龍文瓶
(磁州窯・北宋) 

▼ 元 (Yuan)   
1279-1368 年

(時代背景)
景徳鎮窯が中国磁器の王座となる。

「龍」は真に皇帝の象徴となり、1315年、5爪2角(5本の爪をもち、頭に2本の角をはやした)の龍文が皇帝専用の文様として定められました。

龍袍 金黄地綴織
(京都国立博物館蔵)

▼ 明 (Ming)     
1368-1644年

(時代背景)
芸術文化は中国美術の極致を迎える。幅広く生み出された美術品は、品と格・愛嬌や遊び心までも組み込み、今なお世界中を魅了し続けている。  

「龍」は、神羅万象を司る最高位の神獣として君臨し、5爪2角を有する龍は、天子たる皇帝の威光を表しました。
また、水脈と雷鳴を司り、翼なく天を駆け、そして比類なき力を持つ霊獣として人々の信仰を受け、暮らしを護り続けました。

因みに、第一・第二王子は4爪、第三・第四王子は3爪、第五王子は他の高官と同じ鱗のない蛇のような生き物の紋章を身に着けることを許されたのだそうです。

Classical Chinese Rug 16th

▼ 清 (Qing)      
1644-1912年

(時代背景)
宇宙の中心と謳われてきた中国王朝は、歴史の流れの中、滅亡。数々の宝物が世界中に散逸。 皇帝への献上品であった宮廷絨毯(Classical Chinese Rugs)も同様に散逸または紫禁城の奥深くにしまい込まれてその存在自体が忘れ去られる。

しかし 「龍」は、人々の心になお、神獣・霊獣として力強く生き続けました。 

▼ 中華民国・中華人民共和国  
1913年~現在

(時代背景)中国は近代国家へと、新たな時代を歩み始め、近年では世界に散逸した美術工芸品を国内に戻す流れが進んでいます。

MUNIと龍

1987年、MUNIが日本の倉敷の地に創業します。

「龍」は、日本においても水を司る龍神様など守護神として親しまれていますが、MUNIが手掛ける龍は、中国・明代末期から清代初期に表現された、気高さと遊び心をまとう、いまだ人々を魅了して止まない姿の龍です。

気高さと自然界の比類なき力・徳を宿し、エレガント・モダン・ユニーク、そして美しさと遊び心の要素を満たした龍は、皆さまのもとに幸福を届けんとMUNI CARPETSの中で飛翔しています。

MUNI CARPETS Design No.041(858)
藍地明式草龍文氈


参考文献・参照先

「CHINESE CARPETS」 by Charles I. Rostov & Jia Guanyan
「KAISERLICHE TEPPICHE AUS CHINA」Museum für Ostasiatische Kunst, Köln 
「LIBRARY HOUSE」by THOMAS O’BRIEN
「台湾故宮博物院サイト」https://theme.npm.edu.tw/3d/List.aspx?l=3
「京都国立博物館サイト」https://www.kyohaku.go.jp/jp/learn/home/dictio/senshoku/48koutei/
「吉祥-中国美術にこめられた意味-」東京国立博物館


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