news letter vol.34 : 絨毯用語の基礎知識
2022年9月1日
MUNIでは、月に1度メールマガジンをお届けしています。
その内容をこちらでも紹介させていただきます。
過去のアーカイブはこちらから
日頃、店頭では皆さまにご案内する際、専門的になり過ぎない平易なことばでご説明するように努めておりますが、中国を含めオリエンタルカーペットには、一枚のカーペットのデザインを構成する要素の名称があります。
手織り絨毯(オリエンタルカーペット)をよりお愉しみいただけますよう、改めて図解してみようと思います。
一枚を構成する要素を表す用語
【A】 奎龍 (クェロン)|メダリオン
中国やオリエントのラグの構図に最も頻繁に見られる、中心に位置する大きな円形のモチーフで、中心に位置する大きな円形のモチーフで、作品の物語の主題を示すポイントを成します。
チャイニーズラグの場合、サイズバランスによって、奎龍 (クェロン)|メダリオンが3メダル、5メダルと、数がプラスされます。
【B】雲角 (ユィンシャオ) |コーナー
17世紀頃から「コーナー」が用いられるようになり、奎龍(クェロン)|メダリオンの意匠を繰り返すデザインが多くみられます。奎龍(クェロン)|メダリオンの意匠を繰り返すデザインが多くみられます。
【C】 外辺 (ワイビェン) | アウターボーダー
一番外側の縁の部分。色や太さによって全体の調子を整える大切な部分です。
【D】 大辺 (ダービェン) |メインボーダー
額縁として、作品をより美しく引き立てる要素となります。こちらのデザインによって、力強さ、エレガントさ、などの方向性が決まります。
【E】 小辺 (シャオビェン) | セカンドボーダー
大辺(ダービェン)|メインボーダーを引き立たせ、かつディティールをより繊細に表現します。作品自体のサイズが大きくなると、 (第三)サードボーダー、(第四)フォースボーダーと追加されていきます。
【F】堂子 (タンヅ) |フィールド
中心の奎龍(クェロン)|メダリオンの主題を受けて、背景となる部分。唐草、万字文といった幾何学文様など。奎龍(クェロン)が無い場合には、堂子(タンヅ) |フィールド自体が主題になることもあります。中国段通の場合は、無地で表す場合も多々あり、余白のバランスを重んじる美意識が古来から受け継がれています。
【G】穂子 (スエヅ) | フリンジ
両側の房。手織り絨毯の場合、織機にかけた経糸を残した部分。
機械織りの場合は、後からフリンジだけをつける場合もありますが、この穂子(スエヅ)|フリンジがあることが、手織り絨毯の証でもあります。
その他の用語
【絨毯(じゅうたん)】
「手織り」と「機械織り」の区別はなく曖昧ですが、手織りの場合は「手織り絨毯」という表記となります。
【段通(だんつう)】
中国から伝わった「毯子(タンヅ)」が語源であり、中国段通以外でも手織り絨毯を示す言葉として用いられています。
機械織りの絨毯を「段通」と呼ぶことはなく、MUNI CARPETSも、日本でいうところの緞通のカテゴリーに属します。
【カーペット?ラグ?】
欧米においてはサイズによって、大きいものを「カーペット」、小さいものを「ラグ」と呼び分けていますが、その境はあやふやです。
また、手織りと機械織りとの区別は特になく、手織りの場合は「Hand Knotted Carpets & Rugs」、「Oriental Carpets & Rugs」などと表記されます。
【段数 |ノット(Knot)数】
織り(結び)の数または密度を表す言葉で、中国段通の場合日本では「段(だん)」、中国では「道(タオ)」と表します。例えば90段であれば1尺(約30.5cm)の幅に90個結び込まれていることを表します。
また、西洋では1平方インチまたは1平方フィートの面積に対し何ノット:100ノット(Knots)/sqinch、22500ノット(Knots)/sqfeet と面積あたりの密度を表します。
* * *