秋色の市松文様(チェッカーデザイン)
2016年9月9日
淡いペールトーンのチェッカー。
ポイントにシックな濃い目の色と、エレガントな緑を組み合わせると、足元にも秋の気配。
シンプルでモダンな幾何学デザインがソフトシルキーウールの上質さを際立たせ、お部屋にラグジュアリー感を演出します。
ソファの足元がこんな風になったらとても心地よい時間が訪れるだろう、と一人想像を膨らませ、愉しむひととき。同じ文様も、カラーを変えて2つ3つと組み合わせると、そこにつながりと深みが生まれる。
例えば、季節ごとにクッションを取り換えてみるのもとても楽しいこと。1つ2つと組み合わせを楽しみ、空間にアクセントと遊びを取り入れてみてはいかがでしょう。
今は、方格花文を市松文(チェッカー)と呼ぶ。
本来は魔よけの意味を持つ永遠のモダンの意匠。
生成りと藍とエレガンス
2016年8月28日
中国の古い陶磁器の本をめくりながら、ふと「焼き物を並べてみよう」と思いたつ。
精製されすぎていない地肌の白と、そこに染めこまれた藍色から感じる、穏やかな気品。
中国明代の焼き物から、有田焼へとその姿を昇華させ、そしてまたマイセンが生まれる。全く違うようで、道はつながり時を超え文化を超えて、根底にあるのは、「美しいもの」への憧憬。
カーペットも東洋西洋と世界をめぐり、ここMUNIでまた美しく花開きます。
生成りと藍の美しさ。
永遠のエレガンスをもって、常に新しく美しくあるもの。
時に懐かしさにも似た憧れを感じながら愉しむひとときを、是非その手元で感じてください。MUNI Art book Fair
8月31日まで
Open 10:00 – 18:00/Close:30日
ルイス・C・ティファニー。
2016年8月26日
かのチャールズ・ルイス・ティファニー(TIFFANY&Co.の創業者)の長男であり、1900年代ニューヨークのオークションでいち早くクラシカル・チャイニーズ・ラグの価値を見出し
その芸術作品を集め、研究し、後世に遺した偉大な人物です。彼自身の類稀なる美感覚と
幼少期から培われた鑑賞眼は
ティファニースタジオが残した作品にももちろん
惜しみなく注がれています。今は作品を目にできる場がなく、とても残念です。
プリズムを集めたような色彩溢れるステンドグラスや
魅惑的なアールヌーボーのティファニー・ランプ、
その美しき世界をぜひ書物の中で堪能してください。ご来店の難しい方も、
ティファニーがクラシカル・チャイニーズ・ラグにおいて遺した功績をこちらのMUNI Columnでどうぞご覧ください。
▸ MUNI Column vol.6
アール・ヌーヴォーとルイス・C・ティファニーの世界
日本美術へのオマージュ
道具との付き合い方
2016年8月24日
“よいものと暮らすこと”
“長く大切にできるものを選ぶこと”
MUNIにお越し下さるお客様は
そんな風に仰り、カーペットをご覧くださいます。
素敵なお客様に出会う度、道具の面白みは
使い込み育ててこそ楽しめるもの、と
教えていただいています。写真の椅子の名前は“スパニッシュチェア”
1959年、デンマークのモーエンセンによるもの。ハンモックの様に革が体を支える
なんとも言えない座り心地を、倉敷店でご体感いただけます。ふんだんに使われた革、
無骨なほどの木の骨組みから成るこの椅子も
ともに過ごす時の経過によって、
革の色やなめされた質感、木肌の滑らかさや飴色に変わる様子…数え切れぬ変化をまとって
世界のどこにもない面白みを育ててゆくのでしょう。光を受けて表情を変えるカーペットの藍色を見つめながら、
こちらもまた、藍の呼吸によって色を深く変え、
ウールがいっそう滑らかに輝きを増すときを想像します。一緒に年を重ねる道具をもつこと、
とても大人な楽しみに
つい早く時が流れないかと気持ちがはやります。
MUNI Private Library
2016年8月20日
先日、呉市から素敵なご夫婦のお客様がお見え下さいました。
倉敷店ではArt bookフェアの為、店内
MUNIの蔵書が並んでいます。お二人ひたむきに
本の世界と向き合われるご様子と空間は
静かな中にも、
とても温かで親密な空気を紡がれているような、
素敵な趣が感じられました。古書がお好きで、中国文化にも造詣の深いご主人様。
ひと際熱心に読まれていたのは、
やはり中国文化にまつわる2冊でした。『天工開物』・・・4世紀前の中国、明王朝末期に宋王星によって書かれ、産業技術の百科事典ともいうことができ、日本語訳も出版されています。
『故宮蔵毯図点』・・・かの故宮、紫禁城に収蔵されるカーペットだけを集めた専門書。MUNIの原点であるクラシカル・チャイニーズ・ラグの洗練された様式を見つけていただけます。
MUNIの集めた今は希少な書物たち。
是非お好きな本をご覧に、MUNIプライベートライブラリーへお越しくださいませ。MUNI倉敷店限定フェア “MUNI Artbook展”
開催中~8月31日(水)まで
(定休日:火曜)
日本建築と段通の空間美
2016年8月19日
日本家屋に、美しい絨毯。
とても魅力的な設えです。日本の美意識も、古くは宋や明の時代からの多くの影響を受け、またそこから自国の美術品・芸術品へと姿を変えてゆきました。
日本の美意識の奥深くには、様々な文化を取り込み、洗練させてきた、美しき中国美術の世界があります。
余白の美・モノトーンの美・あらゆるものを取り込んで洗練させてゆく、奥深い美への探求心。
文様の為の文様ではなく、祈りが込められているからこその美しさと、その心の尊さ。シルクロードの終着点とされるここ日本は、西からの文化、すべてを洗練させたものかもしれません。
だからこそ、様々な国の美しいものが、無理なくともにあることが出来るのでしょう。
この写真のように、日本の空間には、中国の美術品もよく合います。
是非、このような設えもお楽しみくださいませ。
たなびく たなびく
2016年8月17日
「京都国立博物館蔵・前田家伝来・名物裂」より。
今の暮らしの中でも耳にする「瑞雲」という言葉。
五色の雲は、喜び・幸せを運ぶものとして、日本でも大切に伝えられてきました。
前田家伝来の名物裂の中に、この瑞雲のルーツとなる貴重な絹織物があります。この雲の文様は、明時代の中国において大切にされ、今なお感じるモダンさは色あせることなく生きています。
少し背筋が伸びるような心地よさと、その中に感じる穏やかな遊び心。
色を抑えたトーンの中に、凛とした爽やかささえも感じます。2つと同じ表情はない MUNI の CARPET と、
今となっては、手に取ることもままならない明時代の絹織物。
巡り合うこと自体が難しい、というかけがえのない価値を手にする喜び。たなびく雲に幸せを願い、遊び心と共に受け継がれてゆく文様。
心の赴くまま、手に取ってみてはいかがでしょう。美しい美術品やその意識は大陸を渡り、脈々と受け継がれ、今なお日本の暮らしの中に息づいています。
夏のひととき
2016年8月14日
朝の光の中
2016年8月13日
ジャン・コクトー
2016年8月11日
シャネルのよき理解者であり、友人であったコクトーは、劇作家・小説家・詩人、様々な顔を持つ天才ともいわれる人でした。
初めてコクトーのことを知ったのは、高校生のころ。
当時、なんとなく惹かれた写真に手をのばし、開いてみたのはボーモン夫人の書いた「美女と野獣」。
それは、モノトーンの写真がとても美しく、コクトーが映画化しようとしているところを写真でつづっている物でした。
時間を忘れ、しばらく引き込まれていたことを覚えています。コクトーは、シャネルやニジンスキーとも交流があり、当時の芸術家たちの交流がいかに豊かだったのかを後に知り、今また、シャネルが愛したクラシカル・チャイニーズ・ラグを、コクトーも共に目にしていたのだろうか、と思いをはせます。
現在、倉敷ギャラリーにあるシャネルの本の中で、コクトーも紹介されています。
是非、手に取って、カーペットの上でこの美しい時代を感じ取ってください。