HIGH MOUNTAINTEA CAFE MENU vol.2
2017年3月20日
南青山本店で木金土曜日の週3日のみ営業、
期間限定・台湾高山茶カフェ。
今回はメニューのふたつめ、貴妃蜜香茶のことをご紹介します。~vol.2 貴妃蜜香茶~
農作物には害虫がつきもので、対策への腐心は、生産者の命題とも言えます。それはお茶の樹にも同じこと…しかし、ある害虫の働きによって、お茶の味が劇的に変化する、ということもあります。
1999年9月21日、台湾のお茶処、南投県を震源地に、大規模な地震が起きました。世に言う921大地震です。
1万人以上の死傷者を出した地震の被害は、茶園にも大きな打撃を与え、しばらく人の手が入らなくなった茶畑では害虫のウンカが大量発生し、凍頂烏龍の生産は出来なくなりました。
ところが、試しにその虫害に遭った茶葉で製茶したところ、これまでにない高貴な香りと美味しさのあるお茶になったことが分かったのです。
以降、凍頂エリアの限られた茶園では、完全無農薬でお茶がつくられるようになりました。元は害虫のウンカにお茶の葉を噛ませるために、農薬は一切用いられていません。
そもそもウンカとは、東方美人やダージリンセカンドフラッシュなど、お茶の葉を噛むことで知られている虫です。
ウンカに噛まれた葉は、生長を止め、摘まれる前から樹の上で発酵を始めます。これにより、かの有名な龍眼蜂蜜のような、豊かな香りと甘い味わいが生まれます。
こうして出来たお茶は、“貴妃蜜香茶”と名づけられました。カップに注ぐと、紅茶のような澄んだ紅い水色と、ふくよかで芳ばしい焙煎香が辺り一面に広がります。
さらに、マスカットのようなフルーティーな後味が快く舌に残り、優雅なひとときを一層盛り立てます。