ファブリルグラスと曜変天目
2016年11月20日
青山ギャラリーにある、たくさんの洋書や美術の本。
何気なくページをめくっていると、
一枚のすてきな花瓶の写真に目が留まりました。
ファブリル・グラス。
クラシカルチャイニーズラグのコレクターでもあった、
ルイス・コンフォート・ティファニーによる作品です。
まるで星が爆発して生まれているかのようなガラスの表情に、
思わず見入ってしまいました。そして思い出したのが、南宋時代の曜変天目茶碗です。
世界の陶磁記器界における名品中の名品ですが、
星のような瑠璃色の光彩が、どこかファブリルグラスと重なります。古代ガラスの玉虫色の輝きに想を得て作られたファブリルグラス。
しかし、東洋美術に造詣の深かったティファニーですから、
どこかで影響を受けていてもおかしくありません。美しいものを追い求めていくと、
たどり着く場所は少し似てくるのでしょうか…