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ラグと靴

2014年3月15日

今日、ある出版関係の方と打ち合わせ中、「ラグはファッションで言えば靴ですよね」という言葉が飛び出しました。
それは私の持論でもあったので、聞いた瞬間「そう!だよね!」と、
私以外でそう思っている人と初めて出会ってびっくりしました。

彼女は夜の会食に誘われ、行った先が予想外に靴を脱ぐ場所だった(知らされていなかったようです)、
せっかく頭の上からつま先まで決めた渾身のスタイリングが
靴を脱ぐことでバランスが崩れて台無しに。
「本当に恥ずかしい思いをしたことを覚えています」
そして「本当におしゃれな人は靴から見ますよね」と続けた。

私はオールデン、JMウエストン、エドワードグリーン等
伝統的な職人が作った靴が好きで長年愛用しています。
それらは、何十年も変わらぬスタイルにも関わらず、
移り行くファッショントレンドを寛容に受け入れてスタイリングを引き締めてくれます。
特にウエストンのローファーやオールデンのチャッカは
ソールを張り替えながら20年近くはいています。
そのよれ感は新しく買った靴よりもかっこ良く宝物です。

かつて訪れたパリで、
エスカレーターの前に立つ男性の履くウエストンのローファーが、
かなり履き込んでひび割れしているにも関わらず
丁寧に手入れされた様子が何ともかっこ良く気品さえ感じました。

インテリアにおいても伝統的で上質なラグを敷くと
靴と同じようにグレードアップし空間をビシッと引き締めてくれます。
また逆にどんなに高級な家具やアートを飾っても
下に敷くラグでグレードやバランスが損なわれてしまいます。

伝統的で上質なラグは
80年代に流行したイタリアンモダン、そして90年代アジアンモダン、
現在の和モダンや北欧スタイル等のトレンドに左右されず
使い続けることができます。

そして20年30年と長く長く使い続けることで
その人の人生とともにその人らしい味が靴と同じように出てくるのは楽しみではないでしょうか。

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