MUNI CARPETS

news letter vol.28 : 幸福の使い こうもり

2022年3月2日

MUNIでは、月に1度メールマガジンをお届けしています。
その内容をこちらでも紹介させていただきます。

過去のアーカイブはこちらから


 先日来店された7歳のお客様が、「あっ、バットマンがいるっ!」と仰いました。
そうなんです、MUNIには、正義の味方ならぬ幸福の使いである、こうもり(バット/bat)モチーフのラグがいくつかあります。

 今回は、日本でも企業のロゴマークや家紋などに使われている吉祥紋である「こうもり文様」についてのお話です。

 個人的には、都会での日常生活のなかであまり見かけない気がするのですが、こうもりは南極大陸以外の全大陸と海洋島に分布し、世界中で約1000種が棲息しているそうです。

世界各地での「こうもり文様」をご紹介していきましょう。

 まず最初はこちらから。カリブ海に浮かぶ国キューバでは、こうもりが健康、富、家族の団結などをもたらすと古くから信じられており、同地で創業した世界的ラム酒メーカー「バカルディ社」のロゴマークに、こうもりが採用されています。
創業者の奥様が、ラムの原料、サトウキビの香りに引き寄せられて蒸留所に棲みついていたフルーツこうもりを発見。幸福や健康の象徴であったこうもりが、バカルディ・ラムの“顔”にふさわしいと採用したのだそうです。

出典: Bacardi社ホームページ

 そして中国では、中国語で「こうもり(蝙蝠)」 (biānfú) の音が「福が偏り来る」を意味する「偏福」 (biānfú) に通じるため、幸運を運んでくる動物として愛されてきました。100年以上生きたネズミがこうもりになるという伝説もあり、長寿のシンボルでもあります。とりわけ、赤(紅)い蝙蝠は、「紅」と「洪」の音が同じことから、洪れる(あふれる)ほどの幸福=「洪福」(hóngfú)を意味し、磁器などの図柄によく見られます。

出典: 東京国立博物館 特別展『吉祥-中国美術にこめられた意味』図録

 

 日本でも、西洋よりも中国の影響を強く受けていた明治中期ごろまでは、縁起の良い動物として企業のロゴマークや家紋などに使われていました。川辺や橋の下などに住んでいるため「川守」と呼ばれることもあったようです。 中国と交易が盛んだった長崎発祥の老舗カステラ店福砂屋さんのロゴマークにもなっていますね。こちらをご覧になった方は多いと思います。

出典: 福砂屋ホームページ

 また、日本石油(現ENEOS)さんは、1888年(明治21年)の創業時、創立記念式典の会場内に一羽の蝙蝠(こうもり)が舞い込んで来たことから、「日本」の文字を蝙蝠に模してデザインしたマークを商標とし、「蝙蝠印石油」の商品名で製品販売を行っていました。
これをご記憶の方は、、、かなりマニアックかも知れません。

出典: ENEOS facebook

 様々に取り入れられているこうもり文様をご紹介いたしましたが、ご覧になったことのあるものはありましたか?

こうもりは夜行性なので、気が付かないだけで、、実は身近にいるのかもしれませんね。  

折しも、3月11日にバットマンの新しい映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』が公開されるそうです。
映画や映画の宣伝をご覧になったときにMUNIのラグに遊ぶ蝙蝠たちをちらりと思い出して頂けたら嬉しいです。  

また、ご自身の家紋が「こうもり紋」の方や、身近な「こうもり文様」情報がございましたら、是非ともMUNI南青山店までお寄せください(笑)。お待ちしております!


■「文様のあれこれ」vol.1およびvol.2のアーカイブはこちらから。
Vol.1  https://muni.co.jp/blog/4220/
Vol.2  https://muni.co.jp/blog/5466/

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