MUNI CARPETS

news letter vol.27 : そこに住むひとを思わせる部屋

2022年2月2日

MUNIでは、月に1度メールマガジンをお届けしています。
その内容をこちらでも紹介させていただきます。


『AD Japan』という雑誌

 お客様から、「オーナーの方は日本人なのにどうして中国のじゅうたんを自ら復活させようとしたの?もともと中国と深い関係があったの?」とご質問を受けることがあります。  

答えは、「否」です。

  倉敷の老舗呉服商の家に生まれたオーナーの楠戸は、むしろ中国やアジアに対してほとんど興味はなく、アメリカやヨーロッパの音楽やファッション、インテリアに傾倒していた若者だったのです。

 そんな楠戸のバイブル的存在だったのは、『AD Japan(アーキテクチュラル・ダイジェスト・ジャパン)』という雑誌でした。1920年にアメリカで創刊された最も権威あるインテリア誌『ARCHITECTURAL DIGEST』(以下;『AD』)の日本版として、1983年から1985年のわずか2年間のみ福武書店(現・ベネッセコーポレーション)から出版されていた、今となっては幻の雑誌です。  

 この雑誌は、作家フランソワーズ・サガンやデザイナーのヴァレンティノ・ガラヴァー二、俳優のシルベスター・スタローン、画家のデビッド・ホックニーなど各界セレブリティの邸宅の美しいインテリアを紹介した本誌記事の翻訳を主体に、日本版ならではの日本の著名人の邸宅紹介、そして白洲正子氏、朝吹登水子氏、松山 猛氏、金子國義氏、中村紘子氏などなど超豪華メンバーによるコラムで構成されていました。 

 そしてインテリアの紹介は、アメリカ版を踏襲した形式で、あくまでもその家の主人にフォーカスし、人生のストーリーとともに、インテリアにどう反映されているか、どういう想いで部屋創りをしているかというところにポイントを置いています。 

 楠戸は、「その人生が創り出した、その人自身の表れたインテリア」 がインテリアの神髄であることを、『AD』が教えてくれた、と言います。そして、楠戸がアンティーク・チャイニーズ・ラグを最初に知ったのは、実はこの『AD』だったのです。

出典:AD Japan No.7,  MAY 1984

 カーペットという「もの」としてではなく、手織り絨毯を床に敷く意味、つまり「床で贅沢をする」ということ、そしてその家の主の人生とともに洗練されたインテリアを生むクラシカル・チャイニーズ・ラグが、それは美しく素敵に映りました。
あくまでも主役は「ひと」であり、そこには、西洋のモダンスタイルと、東洋の伝統美が融合したインテリアのお手本がたくさんありました。

もし、『AD』との出逢いより前に中国の故宮博物院で目にしたとしたら、楠戸がクラシカル・チャイニーズ・ラグに関心を持つことはなかったかもしれません。
『AD』に魅了されていた2年間があったからこそ、初めて訪れた香港で、楠戸は長年の憧れであったアンティーク・チャイニーズ・ラグと出逢うことができ、”クラシカル・チャイニーズ・ラグ”と呼ばれる、明朝末期から清朝初期に宮廷に献上された幻の絨毯の存在を知ることにつながります。


MUNIという社名

 スタッフが名刺をお渡しすると、私共の社名、”有限会社 無二” をご覧になって皆さま驚かれます。
これは“唯一無二”という言葉から、35年前に楠戸が名付けたものです。

「もっとも美しい生活空間」それは、インテリアのためのインテリアではなく、生活に潤いを与え、人生を豊かにするための空間。
「そこに住む人、その人生が創り出した」 ものがインテリアだとすれば、世の中には、全く同じインテリアは存在し得ません。

 主(あるじ)が居なくても、その空間を見ただけでそこに住むひとを思わせる部屋。
それは、そのひとが歩んできた軌跡をあらわす空間かも知れませんし、「空間がひとを作る」ということばがあるように、もしかすると「こうありたい」という主の想いを投影した空間かもしれません。いずれにしても、他の誰とも違う空間に違いありません。
旅先や家族との思い出にまつわるものなど、そのときどきの思い入れあるものを選び、長く使っていくことで、そのひとならでは「唯一無二」の、豊かなものになっていくのです。

 何千年という歴史と上質なクオリティに裏打ちされ、時間とともに美しい艶と風合いを増していくMUNI CARPETSが、あなたの人生に寄り添い、あなたのインテリアのストーリーを一緒に紡ぐことができれば大変光栄です。


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