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カーペットにまつわるお話 ~「明」の美意識~

2021年9月5日

MUNIでは、月に1度から2度メールマガジンをお届けしています。
その内容をこちらでも紹介させていただきます。


「明」の美意識   Ming Style

 永い中国絨毯の歴史のなかで一際気品に満ち、洗練された絨毯の一群。それが、日本の美術工芸にも深く影響を与えた明末期から清初期(16~18世紀)に宮廷への献上品として製織された「クラシカル・チャイニーズ・ラグ」と呼ばれる絨毯であり、MUNI CARPETSのルーツです。

|明の時代背景 

 「明(みん)朝」は、モンゴル帝国の末裔である「元(げん)朝」に代わって、漢民族が興した王朝です。時代にすると1368年から1644年。300年程続いた最後の漢民族の王朝で、日本では室町時代・安土桃山時代・江戸時代にあたります。
 1644年に少数騎馬民族である満州民族の清王朝が台頭するまでの300年間に、中国の文化芸術が洗練の頂点に達したと言われます。
なぜなら、中国の長きにわたる歴史の中で、代々の漢族の文化を継承しながら進化した文化の結晶だからなのです。



|普遍的な明スタイル 

    「簡素美」という表現に代表される明の美意識は文人文化が色濃く表れています。明時代の文人  文 震亨が著した《長物志》には、「雅」と「俗」、今風に言うと「イケてる」「イケてない」で表現したライフスタイルが綴られています。この時代にそんな本があったとは驚きです。
当時先進国であった明の芸術文化は、日本人にとって憧れでした。
 明の陶器、裂(きれ)や書画は日本の茶人や戦国大名たち垂涎の的となり、現代の茶道界においても、「唐物(からもの)」「名物裂」として珍重され続け、日本文化に浸透してゆきました。

明の美意識は、知らず知らず現代日本人のDNAに入り込んでいると言ってもよいでしょう。クラシカル・チャイニーズ・ラグをルーツとするMUNIのラグが日本の皆さまに親しみを感じて頂ける所以です。

名物裂:大徳寺弧篷庵蔵


|モダンデザイン不朽の名作の元は…

 明の「簡素美」を体現した家具、とりわけ官吏(官僚)たちが使った実用的な椅子は、ヨーロッパにも影響を与えました。 デンマークの家具デザイナー・ハンス J ウェグナーは、1943年に明の「圏椅(チュェン・イ)」という椅子を本で目にしてインスパイアされたと言われています。圏椅は、官吏が座っていた椅子で、英語では、circle back chairまたはhorse-shoe armchairと呼ばれます。 

明の「圏椅(チュェン・イ)」


 ハンスJウェグナーが圏椅をリデザインし1945年にフリッツ・ハンセン社から発売された「チャイニーズチェア」は、その後も何度となくリデザインを繰り返し、現在ではコレクターズアイテムとなっています。

チャイニーズチェア__ 出典:『DANISH CHAIRS』 by Noritsugu ODA



 このチャイニーズチェアを元にさらにシンプルにすることで、1950年、ウェグナーの求めた形にたどり着きました。
背面の支柱がYのような特徴的形状であることから通称: Yチェアとして親しまれ、モダンデザインの不朽の名作となったのです。

 Yチェアの美しい形の元をたどれば、 明の美意識に辿り着きます。
一時的な時代のブームではなく後代まで、国を越えて影響を与え続けているのが、明のスタイルです。

Yチェア __ 出典:『DANISH CHAIRS』 by Noritsugu ODA



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posted by MUNI |

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