MUNI倉敷店フェアより Vol.5
2020年9月26日
インペリアルライン展からのご紹介
本日ご紹介の1枚、大らかさの中にもピリッとした印象が大変美しい、双龍と、牡丹・唐草をデザインしたこちらのデザインは。清王朝第五皇帝 帝雍正帝時代(1722〜1735)のクラシカルチャイニーズラグを再現しております。
この時代の特徴はクラッシックな落ち着きと、抑えた華やかさが美しい、大変繊細な曲線を多用したデザインとなり、織り上げるためには、一目の半分のハーフノット、1/4のクォーターノットなど熟練した職人による高い技術が必要となってまいります。
MUNI の職人の中でも、制作することが出来る者はほんの一握りとなります。
中央の龍は、守護神であり、力と善の意味をも表したものとなり、皇帝の象徴であるとともに、自然界の力を表したものでもあります。
天空を駆けているようにも見えるこの草龍文は、様式美の中から抜け出して、大空へと飛び出してきそうな、のびのびとした美しさをもっています。
この牡丹文様はシンプルに表現されながらも、とても大らかでどこかホッとさせてくれる美しさを持っています。牡丹は、その姿の豊かさから百花の王として、官位の最高位を表し、絢爛な美しさから「富貴花」とも呼ばれていました。
唐の詩人李白は、豊かな牡丹の美しさを楊貴妃になぞらえ詩いました。
「雲想衣裳花想容」とは、その詩の一説です。
唐草には、永遠という意味があり、いつまでも続く幸せを願う文様となります。
終わることのない幸せは、いつの世も人々の願いなのでしょう。どこまでもどこまでも続く唐草の文様は、世界中で愛されてきましたが、すこしぽってりとした葉の表現と大変細い茎の対比から生まれる美しさは、他では見られないものです。
縁取りには雷を表す「雷文様」をデザインし、その配色は鮮やかな大黄色と、細く入る水色とホワイト。
このクリアな色の端正でシンプルなボーダーが入るからこそ、フィールドのエレガントな曲線のデザインが一層生きてくるのです。
槐(エンジュ)で染められた淡いイエトローの地色に、やや浅めの藍のブルーで文様が織り上げられることで、高貴なモチーフに柔らかな気品ある印象を持たせることが叶います。 唐草の伸びやかな美しさからは、ゆったりとして解放されるような落ち着きを感じることも出来るでしょう。
この文様とデザインからは、“この気高く美しい現世をいつまでもいつまでも” そのような声が聞こえてくるようにも感じるのです。
Size 137×198 cm
Design No. 132
Price ¥1,500,000- (¥1,650,000- with tax)