MUNI 投稿記事一覧
日本建築と段通の空間美
2016年8月19日
日本家屋に、美しい絨毯。
とても魅力的な設えです。日本の美意識も、古くは宋や明の時代からの多くの影響を受け、またそこから自国の美術品・芸術品へと姿を変えてゆきました。
日本の美意識の奥深くには、様々な文化を取り込み、洗練させてきた、美しき中国美術の世界があります。
余白の美・モノトーンの美・あらゆるものを取り込んで洗練させてゆく、奥深い美への探求心。
文様の為の文様ではなく、祈りが込められているからこその美しさと、その心の尊さ。シルクロードの終着点とされるここ日本は、西からの文化、すべてを洗練させたものかもしれません。
だからこそ、様々な国の美しいものが、無理なくともにあることが出来るのでしょう。
この写真のように、日本の空間には、中国の美術品もよく合います。
是非、このような設えもお楽しみくださいませ。
たなびく たなびく
2016年8月17日
「京都国立博物館蔵・前田家伝来・名物裂」より。
今の暮らしの中でも耳にする「瑞雲」という言葉。
五色の雲は、喜び・幸せを運ぶものとして、日本でも大切に伝えられてきました。
前田家伝来の名物裂の中に、この瑞雲のルーツとなる貴重な絹織物があります。この雲の文様は、明時代の中国において大切にされ、今なお感じるモダンさは色あせることなく生きています。
少し背筋が伸びるような心地よさと、その中に感じる穏やかな遊び心。
色を抑えたトーンの中に、凛とした爽やかささえも感じます。2つと同じ表情はない MUNI の CARPET と、
今となっては、手に取ることもままならない明時代の絹織物。
巡り合うこと自体が難しい、というかけがえのない価値を手にする喜び。たなびく雲に幸せを願い、遊び心と共に受け継がれてゆく文様。
心の赴くまま、手に取ってみてはいかがでしょう。美しい美術品やその意識は大陸を渡り、脈々と受け継がれ、今なお日本の暮らしの中に息づいています。
夏のひととき
2016年8月14日
朝の光の中
2016年8月13日
ジャン・コクトー
2016年8月11日
シャネルのよき理解者であり、友人であったコクトーは、劇作家・小説家・詩人、様々な顔を持つ天才ともいわれる人でした。
初めてコクトーのことを知ったのは、高校生のころ。
当時、なんとなく惹かれた写真に手をのばし、開いてみたのはボーモン夫人の書いた「美女と野獣」。
それは、モノトーンの写真がとても美しく、コクトーが映画化しようとしているところを写真でつづっている物でした。
時間を忘れ、しばらく引き込まれていたことを覚えています。コクトーは、シャネルやニジンスキーとも交流があり、当時の芸術家たちの交流がいかに豊かだったのかを後に知り、今また、シャネルが愛したクラシカル・チャイニーズ・ラグを、コクトーも共に目にしていたのだろうか、と思いをはせます。
現在、倉敷ギャラリーにあるシャネルの本の中で、コクトーも紹介されています。
是非、手に取って、カーペットの上でこの美しい時代を感じ取ってください。
倉敷店フェアのご案内
2016年8月8日
賑やかに過ぎる葉月、いかがお過ごしでしょうか。
この度、MUNI倉敷店では
倉敷店だけの、特別なフェアを開催いたします。いつもは書庫に納められているMUNIの蔵書を、
お手に取っていただける形で店内に設え
皆様をお迎えいたします。失われた文化、クラシカル・チャイニーズ・ラグの研究と探求において、欠くことのできない史書、そしてMUNI CARPETSの美意識の元に蒐集された貴重な美術書ばかりです。
どうぞ 倉敷の町、そしてMUNI CARPETSの上で
美と芸術に触れる豊かな時間をお楽しみくださいませ。皆様のご来店を心よりお待ち申し上げております。
New Arrivalのご案内
2016年8月7日
織り上がったばかりのカーペットが、ギャラリーへ届きました。
夏の光にきらめく
清らかな藍色、
そして深みのあるグリーンやシックなベージュなど。まさに呼吸を始めたばかりの
植物から生まれた色彩が、瑞々しく輝いています。ぜひ、季節の織り上がりをご覧に
MUNIギャラリーへ足をお運びくださいませ。
バリ ヒンドゥー寺院にて
2016年8月6日
夏季休暇を頂き、旅行でインドネシア・バリ島を訪れました。
写真は、ウブドのヒンドゥー寺院の舞台上の扉を撮ったものです。
人物の背後で、金色の蓮の花が絢爛に咲き誇る様子が、
細かい細工で見事に表現されています。MUNIのカーペットでも多く用いられている
蓮の花モチーフですが、
仏教と同じくインドを起源とするヒンドゥー教でも、
神聖さの象徴として、大切にされています。蓮の花は、シルクロードや海を越えて、
古代からアジアの広い範囲で愛されてきた、
大事な象徴なのですね。
異国の地で、改めて新鮮な気持ちで感じました。写真①ウブドのヒンドゥー寺院での一枚
写真②MUNI CARPETS
Imperial-No.037
Size: 137x198cm
涼のおしつらえ
2016年8月1日
穏やかな風情、凛とした空気の漂う
素敵なご趣味のお玄関は、M様のお宅です。その中央で客人をお迎えする大役に選ばれたのは
慶びのたなびく瑞雲文氈。MUNIの知と技術の粋を集めて制作するインペリアルラインの中でも、とりわけ品格と遊び心に溢れた作品です。
自然との調和、簡素美、という明朝時代の美意識は
日本の茶の湯に用いられる袱紗(ふくさ)や仕覆(しふく)、
表装などを作るのに用いられた明代の織物によって
日本人の美意識の中に自然に受け継がれています。M様は以前から雑誌でMUNIをご覧くださっており
ご新居の完成に合わせてのご来店でした。
滅多と織り上がることのないこちらの一枚が
その機会にご覧いただけたのは
巡り合わせと思わずにはいられません。吟味されたお道具の数々、
そしてさりげなく季節の空気を漂わせる丁寧なお心配りが
世界に二つとない、M様だけの美しい空間を築いています。今後も長くご愛用いただけます様、心より、願っております。
萬字文辺草龍文氈
2016年7月10日
この度、欧米のアンティークラグコレクターの間でも
人気の高い草龍文のインペリアルラインが一枚織り上がりました。
MUNIのインペリアルラインはデザインによって、
永い年月を経た既に退色してからのアンティークラグの
美しさを表現する場合と、退色する前の出来上がりの色を
表現する場合があります。
故宮のアーカイブの中に木紅(Muhon)と呼ばれる少し赤発色の
茶色を地色に使用しているケースがあります。
こちらの作品は木紅の配色を、出来上がりの色により
近づけた色を再現して制作いたしました。
木紅は茶色系ですが渋い茶色とは異なりとても華やかさが
ある美しい色です。
龍文様は少し浅めの藍を用い更に華やかさを増しています。
中国清朝康煕帝時代の簡素美の中にも宮廷の華やかさが
表現されています。