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about MOTIF_雷

2000年1月1日

雷文(回文)は古代文様の最も代表的な文様で、稲妻をあらわし雨をもたらし万物への恵を願う意味が込められた文様です。
中国の他、古代ギリシャ・ローマでも用いられて、欧米では『グリークキー』と呼ばれています。


*雷のあれこれ*

▇ 世界の雷文
雷文は中国はもとより、ギリシア、ローマの建築物や調度品などに多く取り入れられている普遍的なもので、“Greek key(グリーク・キー)”または“Meander (メアンダー)”と呼ばれ、世界的に愛されている装飾文様です。

新石器時代にバルカン地方のドナウ川流域のトリポリエ文化・ディミニ文化において土器の装飾文様として始まり、ギリシアの幾何学紋様として開花しました。

▇ 世界の神々
古代ギリシャでは言わずと知れた大神ゼウスの象徴として雷鳴・閃光・暴風雨がありました。
古代中国では天帝が人々をいさめるために雷を司る神・雷公を遣わしました。また、殷時代の甲骨文字にはすでに「雷」を表す文字が認められています。
日本では、天照大神の命を受け建御雷神が国の平定を保つために高天原より遣わされました。建御雷神は、雷神・武神・国の守護神として今もなお崇拝され続けています。

▇ 身近に感じる日本の雷文
1910年に日本で最初の中華そば(ラーメン)店がオープンしたときのこと。
当初は和食用のどんぶりを兼用していたらしいのですが、次第にラーメン人気が広がり、浅草・かっぱ橋にある九谷焼を扱う陶器卸専門店に「中華らしい器を作って欲しい」と依頼したところ、陶器店の店主が、試みで器の淵に【雷文】を施したのだそうです。
すると、ラーメンの普及とともに、雷文を施したどんぶりも日本中に広まったと聞きました。

このことが発端となり、日本においては、「雷文=ラーメン」という図式がすっかり定着したのです。

しかしながら、ラーメンの普及の遥か前、室町時代から、日本では家紋として雷文が使われていました。
そのバリエーションは、48種にも及びます。
家紋は日本が誇る素晴らしいデザイン文化で、その発想・完成度の高さ・ユーモアには目を見張るものがあり、世界中から優れたデザインとして認められています。


▇ 人々は、眩しい閃光と共に轟く雷鳴の破壊的ともいえる力に畏怖の念を持ちながらも、命をつなぐ水を運ぶものとして豊穣への願いを込めました。
また雷は龍の化身でもあることから、龍神様の印としても人々の暮らしに寄り添い続けてきました。

雷文は能装束や歌舞伎衣装でも多く使用されてきました。
現代においても、時代に左右されないモダンなデザインとして定着し、文化芸術や建築・ファッションなどの世界で枯れることなく花開き続けています。


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MUNI CARPETS は、世界の宝でもある明代の宮廷絨毯・Classical  Chinese  Rugを蒐集・研究し、文様が持つ美しさやその意味までも後世へと伝える為、文様の1つ1つに幸せへの願いを込めてカーペットを制作し、皆さまの元へとお届けいたします。




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