この度ご紹介するのは、Design No.062 「蜀江文氈」 91x183cm です。
端正でモダンなデザインは、設える空間にスッと馴染みながら、足元からその空間の上質さを作り上げて行きます。

Design No.062 は、絹織物の意匠「蜀江文」が、明時代になってより美しく結実したものから生まれたデザインです。幾何学文様の端麗な美しさとモダンな力強さを、少しコンパクトなミドルサイズの中で余すところなく表現いたしました。

ご紹介の１枚は、シャープなデザインを上質なプレミアムウールならではのソフトなパイルで織り上げることで、蜀江文の奥深い魅力をしっかりと表現しています。
毛足は少し太めで、手紡ぎ糸による弾力性に富んだふっくらとした質感を一層感じて頂けるところも、素敵なポイントの１つです。

また格子の中にある槐(エンジュ)や胡桃(クルミ)といった植物染料を用いて染めたベージュの透かしの蓮花文様は、光の方向によって淡く見えたりこっくりと深みを持って見えたりと、このカーペットの表情を生き生きと輝かせています。

ピリッとした印象の縁取り（ボーダー）の中に入る、とても細いホワイトのラインは、カーペット全体に軽やかさを生み出し、地色の槐と姜黄(ウコン)で染めた深みあるアイボリーは、モダンさの中にも落ち着きと優しさを感じさせてくれます。

シャープなデザインの中に愛らしささえも感じるのは、手織り絨毯ならではの少し遊びある姿かたちがだからでしょう。

文様については、中央（フィールド）の格子文様は、八角形の格子を十字文様でつないでデザインされています。
八角形の格子の中にある淡いベージュの蓮花の透かしには、繁栄と清らかさへの願いが込められています。
十字文様は太陽の輝きを表現しており後に萬字文様へと発展し、天からの祝福の意味が込められています。
縁取りの雷文は命の水を運ぶ稲妻、そして守り神の龍の化身です。

Design .062 の、絞りこんだ色数からも生まれるシンプルでモダンな力強さは、レザー・木・ファブリック、どのような素材とも互いを活かしあい、心地よい空間を作り上げていきます。
また、使い込む程にウールは徐々に光沢をもち、染料はしっとりと落ち着いた色へと変わっていくことでしょう。
これまでから一層上質で心地よい空間を作り、日々の時間をカーペットの上で重ね、是非あなただけの１枚へと育てて行ってください。

使用染料:　藍　槐　胡桃 姜黄(ウコン)　ナチュラルホワイトウール

倉敷店スタッフ　D

※　こちらのデザインはその他のサイズでも制作しておりますのでお気軽にお問い合わせください。