この度ご紹介する、Design No.009D・蓮団花文氈 (size 61x122cm) は、落ち着きある華やかさが魅力の１枚です。
文様のアッシュブルーが地色のテラコッタブラウンに華やかに浮かび上がり、コンパクトなサイズながら広がりを感じさせるデザインは、空間に上品なのびやかさを演出することでしょう。

こちらは、エントランスには勿論、ベッドサイドでナイトテーブルの下に敷きこんだり、階段の踊り場やソファの座面などに合わせたり。フロアランプの足元へのセッティングだと、日が暮れた後、ライトに照らされてふわっと浮かび上がるカーペットの表情には、きっと心が躍ることでしょう。
Design no. 009D は、設えたその空間と場所を美しく彩って行く、とても素敵な１枚です。

職人の手仕事で紡ぎ、染めこみ、織り上げられたこの１枚は、美術品としての美しさはもとより、使い手にとってまたとない気持ちよさも体感させてくれます。
美しく緻密にデザインされたカーペットは、この職人たちの卓越した技術で、１点１点、それぞれの素敵な個性をもったものとして生まれます。そして、日々の中で使い込むことで一層美しくなっていくその表情の変化は、使い育てていく人だけの特別な楽しみにほかなりません。
なにより、密かに緊張感をはらんだものからは、とても大きな心地よさを感じることができるのです。

文様の蓮花は、幸福と繁栄、そして清らかさの象徴です。
Design No. 009D のたおやかで深みある色の組み合わせは、名物裂に代表される明朝時代の絹織物からインスピレーションを受け、デザインされました。
優しいだけでなく渋みもあり、その中にピリッとした力強さも持ち合わせている文様と配色は、とても上品で美しい佇まいをしています。

この度ご紹介するこちらの作品の特徴は、地色のテラコッタブラウンが放つキラキラとしたアブラッシュの表情の美しさです。
手紡ぎのウールを染料に付け込んで染色する際に、紡ぎのテンションの強弱や太さの加減で染料の入り込み具合が変わってきます。
そうすることで、カットした断面（絨毯の表面）には、計算では出すことのできない自然の表情が生まれ、それは作品に深みを増す景色となって行きます。
使い込み育てて行くと、地色は柔らかく文様は深みある色合いへ、ウールはしっとりとした光沢をもち、アブラッシュはより美しく溶け込んで行き、真新しい時とは違う優しさと深みある風格をもった美しい表情へと育っていくことでしょう。

丁寧な手仕事で作り上げられた上手物は、美術品としてそれだけで素晴らしいものです。
そして、その後の姿は使い手によってさまざまに、それぞれの姿へとより美しく個性を発揮していきます。

しっかりと作り込まれたふっくらとした仕上がりは、使い手の心も体も満足させてくれます。
目から美しく体にも心地よく、使い込むことで美術品としての真価を一層発揮していく１枚です。
是非、あなたの時間や記憶も紡ぎ込んで、このカーペットを育てて行ってください。

　使用染料:　藍　橡　大黄　茜

　　　　倉敷スタッフ　AD

※　こちらのデザインはその他のサイズでも制作しておりますので、お気軽にお問い合わせください。